2011/06/28

明石城の風景

 JR明石駅のプラットホームに降り立ち北側を見るとお城があります。明石城跡です。伏見城を移築したと言われている坤櫓が西側にありますが、写真は巽櫓で、築城当時、新築で建てられたものだそうです。このお城の石垣は、高さがあり、その石垣の上にある櫓が美しく築造されています。明石駅前にあるこの城跡は、市民にとっても憩いの場であるのに加えて、史跡としても大きな価値を持っています。

 阪神淡路大震災の際には、お城の石垣が膨れたような感じで崩壊しそうでしたが、その後、修復されて美しい穴太積みの石垣を見せてくれています。震災で傷ついた文化財や史跡を維持することの大切さ、それを後世へつなげていく重要さを感じました。もし、明石城の石垣や櫓が無くなってしまうとどうなのだろうと考えると、地域の人にとって有って当たり前のものが無くなってしまうと、その人の中での記憶も欠けて行ってしまうのではないかと思わざるを得ません。

 文化財や史跡だけではなく風景など日ごろ見られているものは、見ている人にとって大切なものです。そういった街の中の要素が、この日本では、気が付くと無くなっていたり、壊されたりして変わっているものが多いと思います。街のダイナミズムと云えばそれまでなのかもしれませんが、本当にそれでよいのだろうかと考えてしまいます。明石城のように管理されている空間と私的な空間で管理がされていない、個人任せによるものもあり、難しい問題です。

明石城の巽櫓