阪神淡路大震災の際には、お城の石垣が膨れたような感じで崩壊しそうでしたが、その後、修復されて美しい穴太積みの石垣を見せてくれています。震災で傷ついた文化財や史跡を維持することの大切さ、それを後世へつなげていく重要さを感じました。もし、明石城の石垣や櫓が無くなってしまうとどうなのだろうと考えると、地域の人にとって有って当たり前のものが無くなってしまうと、その人の中での記憶も欠けて行ってしまうのではないかと思わざるを得ません。
文化財や史跡だけではなく風景など日ごろ見られているものは、見ている人にとって大切なものです。そういった街の中の要素が、この日本では、気が付くと無くなっていたり、壊されたりして変わっているものが多いと思います。街のダイナミズムと云えばそれまでなのかもしれませんが、本当にそれでよいのだろうかと考えてしまいます。明石城のように管理されている空間と私的な空間で管理がされていない、個人任せによるものもあり、難しい問題です。
明石城の巽櫓 |