2012/12/31

上七軒界隈


 今年も今日で終わりです。家の近くの上七軒界隈を散歩してきました。少し雪がちらついていました。
 
 みなさま良いお年を

上七軒歌舞練場の入り口あたりです

2012/12/29

チッタゴンの鉄路

 チッタゴンの街中を鉄道が通っています。どこまでも直線で続くような錯覚を覚える鉄路です。雄大で美しい風景です。この風景を眺めていると、遠くへ行きたくなります。

とおくまで続いています。

2012/12/28

チッタゴンのスラム

 チッタゴンの町中にスラム(slum)を見かけました。表通りから少し入った所です。環境的にもよい場所ではありません。以前、チッタゴン郊外の漁村へ行った際、そこのスラムに接する機会がありました。あれからもう5年近く経っているので、スラムといった空間が、町中には「鉄道の線路横沿いを中心とした場所には残っているものの、市内深部には余り無い」と考えていました。今回、町の真ん中あたりにまとまって残っていることに、認識不足であったと強く思いました。もちろん、表通りからは見えることはありません。自分自身、あまりにも表面しか目が届いていなかったことに、自身が情けなく思えて仕方がありませんでした。

 環境や生態、多様性を考える上で、何が重要なのか、改めて考える機会になりました。この機会は、多くの宿題を渡されたような気がします。


川はごみで黒く汚れています

2012/12/27

チッタゴン動物園

 時間が有ったのでチッタゴン動物園(Chittagong ZOO)に、ランドスケープ空間としてどうなっているのか興味が有っったので、見学へ行ってきました。ここは、1987年に開園した動物園です。ここの環境の主たる目的は、見たところ、動物を見せる空間である、といえます。かつて日本がそうで有った様な形態です。「見ること」に主体を置くだけの園です。生き物の生態等の学ぶ場所では残念ながらありません。また、動物の飼育状況が、現在の動物園としては「かわいそう」としか表現できない感じを受けました。見学していてちょうど飼育スタッフの方々の作業を見る事が出来ました。生き物たちへの餌やりや掃除を見ていると一生懸命されていますので、そういった愛情は強くあるように感じます。

 現在は乾季なので、まだこれでいいのかもしれませんが、園路などの状況が、現在、乾燥した泥なので、雨季になった時に泥へ変わってしまう可能性があり、そういった点も気になるところです。園は傾斜のある空間ですので、雨が降った折には大変だろうと思います。

 この動物園には多くの家族連れや友人同士、学校の遠足などで来ていることが多いそうで、見学に行った際も多くの人が訪れていました。チッタゴンでも人気のあるスポットだという事が実感できます。人気があるだけに、今後、改築や改装など色々な面で必要になる場所だなと思いました。生き物たちのためにと、訪れる人の学びのためにと、この施設のハード、ソフトの改変が必要になってくるのでしょう。

鹿、人気です

2012/12/26

バングラデシュの電線

 ダッカやチッタゴンは、1日のうちに幾度か停電が有ります。電力供給の問題もあるのでしょうが、そのシステムも大変なようです。町中の空を見上げると、電線が蜘蛛の巣のように貼っているのが見て取れます。ベトナムとよく似ていますが、それよりかは蜘蛛の巣度は低く思えます。とは言え多くの電線が町中に張り巡らされています。これもバングラデシュの風景です。

蜘蛛の巣な電線

2012/12/24

チッタゴン戦争墓地

 チッタゴンの街中には、第二次世界大戦で亡くなった方々の戦争墓地Chittagong War Cemeteryがります。街の中の騒々しさから、隔離されている感のある緑豊かな美しい環境です。この戦争墓地の中に18人の日本人兵士のお墓が有り、伺いたいと思いながらも5度目のチッタゴン訪問でやっと訪れることが出来ました。

 そのお墓は、連合国の兵士のお墓から少し離れてぽつんとあり、大陸から離れた島国の日本のような感じも受けます。しかし、こんなに丁寧に、加えて公平に美しく緑の手入れをされているのを見ると、日本人として感謝の念が絶えませんでした。墓碑の前で刻まれた日本兵士の名前を見ていると、当時の日本から遠くまで、このベンガルに来て、ここで亡くなった日本兵の方の事を思わずにはいられません。日本人としての存在や、彼らに対する日本とは、祖国とは、を暫く考えていました。

 気が付くと、私の横に管理のおじいさんが立っていました。彼は、私が長い事、そこに立っているのを黙って待っていたようでした。彼に頭を下げました。丁寧に管理されていることを。彼は何か言いかけましたが、頷くだけでした。私は、ここにきて良かったと思いました。一人の日本人として改めて考える時間を与えてくれたような気がします。

 造園を学ぶ人にとって、この空間の緑の管理の仕方や植栽を見るだけでも、とても価値が有ります。花の使い方、樹の植えている位置、取り囲む樹木など、見るべきものが沢山ありました。この空間の意義や存在について、それを緑の植栽が作り出すことの一助となっており、とても実感できます。


うつくしい空間です

2012/12/23

チッタゴン・シタクンダの植物生態園

 Chittagong(チッタゴン)から37kmほど離れた場所にSitakunda(シタクンダ)という場所があります。そこに植物生態園(Botanical Garden and Eco-park)が有り、今日はそこへ調査に行きました。この山の頂上は、GPSで測ると標高196mで、さほど大きい山ではなく、丘陵地といったところでしょう。地元の人へヒアリングをしたり、訪れている人に聞いりしたのですが、この山の名前は無いと地元の人は言っていました。

 この植物生態園の中には、すっきっとした流れの滝が有ります。これも名前が無いと聞きました。日本的に言えば「白絹の滝」といったところでしょうか。バングラデシュでこれだけの落差のある滝は、そうそう無いのではないだろうかと思います。

 ここの植物生態園は、丘陵地から見るベンガル湾(the bay of Bengal)の眺めの景観と滝を目当てに来る人が多く、チッタゴンの学校での遠足やピクニックに来る場所で、子供たちにとっては一般的な空間だそうです。植物ももちろん豊富に見られますが、バングラデシュで一般的に見られる植物が多いような気がしました。

きれいに一直線で流れています

2012/12/22

ベンガルの夕日

 京都から約1日かけて、バングラデシュのチッタゴンにつきました。着いた時にはもう夕方です。タゴールの詩につづられているようなベンガルの夕日はきれいで、疲れもだいぶ無くなるような気分にさせてくれます。バングラデシュの風景の美しさを出してくれているような感じです。

夕焼けがとてもすがすがしいです


2012/12/19

京都府立植物園のイルミネーション

 ちょうど今、京都府立植物園では、夜にも開園しています。職場の横にあるので、帰宅がてら、植物園のイルミネーションを見に行ってきました。昨年も見学しましたが、今年も綺麗にイルミネーションがされています。冬のこの時期に行われる企画は、冬の寒い、張り詰めた空気の中、光がとても明るく見られます。

植物園です

2012/12/16

門からの景観

 門は、街の景観を彩る要素の一つです。境界を区切るもの。境界である塀から入り込むことのできる出入口。開門されていても、そこには一つの境界線が引かれています。門の内側から見ると、内界と下界との境で、その門の外から、別の空間が広がります。内なる空間から外の空間との「つなぐ線」となっています。人が門へ向かう場合、移動はある程度直線的ではありますが、そのつなぐ線は、それを簡易にふさぐ空間境界を作り出しています。

 もう一つは、門の内側から外側を見出す際、その新たな空間の予感と新たな時間を作り出す可能性を持ちます。窓も同じ感覚を持ちますが、基本的に出入りするものではないと考えると、門と窓との違いは大きく分かれてきます。窓での視覚的なもの、門では視覚的なものから、さらに加えて、体感的なものが付加されてくるのです。門の在り方は、ランドスケープとして重要な要素です。空間を見る、空間の線を見る際、とても重要な要素になってきます。

 写真は、京都西陣にある雨宝院の門です。
 
雨宝院の門を内側から見ています

2012/12/10

京都国際会館の庭


 大学院生の講義の一環で、近くにある国立京都国際会館の見学に今朝行ってきました。ちょうど雪が降っているところであり、寒いながらも、なんとなく京都らしい感じが出ています。館内の見学は、60年代のデザインをふんだんに見る事ができ、私自身も興味深い見学だったの一言です。見学の引率の方の説明も分かりやすかったので、学生たちもよく理解できたのではないかと思います。

 さて、館外のランドスケープデザインが私にとってやはり興味をもちました。池とその上の回廊。借景には、周辺の山を配し、その映り込みを池面に見せる演出。そして、今日の雪の空にとても合っている様は、相乗効果の美しさを作り出しています。また、建築の存在が、このモダンな庭園にとてもよくあっており、良く考えられた空間配置のデザインだと思いました。


雪が良く似合います

2012/12/09

高桐院庭園見学


高桐院庭園見学

 学部生を連れて大学近くの高桐院へ庭園の見学に行きました。早朝から見学したので、来訪者も私たち以外、ほとんど無く、ゆっくり2時間弱見学をしました。靴を脱いで書院へ入ると、この時期なので、足の先から寒さが伝わって来ます。それでも、緋毛氈の上に正座して南庭を見ると寒さを忘れるような凛とした空気感がありました。

 この高桐院は、私が大学院生の頃、何度か神戸から京都まで調査の手伝いに来ていました。その調査は、大門から書院への「つなぎ空間」の調査で、ここに訪れるとよくその当時の事が思い出されます。

 この高桐院の南庭は、江戸初期に作庭された簡素な庭で、現在は、イロハモミジ(Acer palmatum)の庭として季節感を演出してくれます。この時期は、ちょうど落葉し、木々の幹や枝の状態が遠目でも見える時期です。院生の頃に比べると、なんだか樹の表皮に地衣類のウメノキゴケ(Parmotrema tinctorum)などが着生しているようで、そのような樹ばかりになっているような感じです。樹そのものの樹勢が悪くなったのか、もしかすると、この地の空気が清浄であることから着生を促しているのか…。古木といった趣を添えている感があり、見た目には美しくもありますが、昔の調査の時に見た樹と比較すると、なんだか樹に元気が無いような感じも見受けられました。樹にとってどうなのかは、遠目なのでよく分からないのですが…。

 少なくとも、以前よりも比べて、この紫野界隈の環境が若干変わっただろうとは思います。

凛とした空気感です

2012/12/07

キャンパスの紅葉


 北山キャンパスの中には樹木が多くあります。キャンパスができる前から生えているニレ科の植物は、氾濫原であった当地の名残です。緑豊かなキャンパスの中で、今の季節とりわけ綺麗なのが、タイワンフウです。このフウは、青空ととても映えるような、きれいに色づいています。ここに赴任して4回目の初冬を迎えますが、毎年綺麗に咲いています。徐々に色のコントラストが変わってくる様は、季節感を良く伝えてくれる晩秋から初冬の光景です。

毎年綺麗に咲いてくれます

2012/12/04

渋谷の街路樹


 渋谷の神宮前の通りにある造園会館の前の街路樹は、もう剪定も終わり、だいぶさっぱりとしています。冬らしい装いに変わった感じを受けます。

 街路樹の剪定の仕方を見ると、造園事業者の剪定の仕方が、地域ごとに違って見えます。京都の剪定、神戸での剪定、もちろん東京での剪定・・・。それぞれ、個性が見られるのも面白いものです。
 
 とても美しい剪定の街路空間であると、歩くだけでも楽しくなります。それが、特段意識していなくとも、視野の中に無意識に入っていることから、無意識の中の美的空間を提供してくれているのでしょうね。


冬の装いです

2012/12/03

東京代々木公園のケヤキ


 東京のケヤキは、ちょうど今、散りかけていたり、美しい葉の色を見せてくれていたりして、街の空間を鮮やかに彩ってくれています。関東のケヤキは、ひときわ美しく色を見せてくれます。写真は、東京代々木公園のケヤキですが、青空に映えて、とても美しいものです。葉が落ちた後の枝だけも美しいのですが、色のついた錦秋あでやかなケヤキもまた美しいものです。12月に入り、もう間もなくこの葉も落ちていくことでしょう。この木は、今が最もきれいな落葉期ですね。

鮮やかな黄色です