2011/06/03

護王神社の点景

 京都御所の烏丸通側に護王神社があります。和気清麻呂公命をお祭りした神社です。この神社の境内の雰囲気は、烏丸通を疾走する車のうるささから、一歩中に入ると少し静かになる空間をつくりだしてくれています。雰囲気も落ち着いており、京都の町中に住んで以来、この神社は、私の好きな空間の一つといえます。この神社には、特徴的なものがあります。それは、狛イノシシがあることです。もちろん境内の中もイノシシに関した物が多く、それだけでも特徴的です。
 夜に烏丸通を通って帰るときには、護王神社の横を通りますが、深夜であれば、車も少なくなり、御所の静寂の横で、神社も静かに佇んでいる光景が印象的です。この静かな通りの空間は、歩いていても爽快に思えることが有ります。

 空間を見ていく中で、昼間の空間と、夜の空間の違いについて、とても興味深く思えるのが京都の町の空間です。夜になると、物が浮かび上がり、輪郭が明確になってきます。狛イノシシと鳥居の陰影も明確に浮かび上がり、京都の町の印象的な景観を創り出しているようです。
 京都の街中の風景は、小さいこういった点景からも浮かび上がってくる環境です。見る人にとって印象深い風景になるものと思います。

護王神社狛イノシシ