先斗町の通りの空間は、人の目線、視野に入る要素の占める割合を見てみると、空の面積は少なく、人工的な構造物によって多くの面積が占められています。しかし、それが厳しく圧迫した感じをさほど受けません。観光客が多くあふれている時期などでは、圧迫感を多く受けますが、視野の中へ行き交う人がさほど多くない場合、それら人工構造物は、空間と調和しているようにも思えます。
風景、景観は、見る人によって大きく感覚が異なってきます。感覚の違いを統一するのは難しく、それを数値データ化することは、とても厳しいのではないかと思わざるを得ません。大多数の人の認識で、「良い空間」として提示されれば、「良い空間である」と言われやすくなるようです。しかし、大多数の人が思う良い空間とは、そもそも何でしょうか。
この先斗町の点景でも、よい空間と思う人と、よろしくない空間と思う人、見る人の数があればあるほどその感想も多くなっていきます。良い空間、悪い空間には、風景に対して何かの法則があるかもしれません。
四条通上る点景 |