2012/07/23

太山寺のコジイ林


 大学の演習で行っている神戸市西区伊川谷にある太山寺は、歴史ある寺院です。その背山として原生林が有ります。この原生林は、『太山寺コジイ林』として、環境省の「生態系重要地域A(区域の生物学特性を示す生態系)」に指定されている貴重な空間です。ここは、兵庫県南部の生態系にとって貴重な生態的空間といえる場所なのです。

 学生の時からこの場所を継続的に調査していますが、鳥類の多様性は里山に比べると低い地域になっています。生き物の生態系の状態からこの森を観察すると、人の手の加わっていない方が、生き物の多様性も高そうに見られがちですが、人の手の加わっている農村や近郊部の農業空間、里山空間の方が生き物の多様性自体、高くなるということが見えてきます。



三重塔とコジイ林

2012/07/22

賀茂川の光景


 北山キャンパス横の賀茂川は、調査地や演習地として最適な空間です。現在の賀茂川は先だっての豪雨の跡が残りつつも、しっかりとヨシなどの植物が生えだしています。この時期、植物の生長著しいのが特徴で、豪雨でのダメージもあまり感じさせません。赴任した4年前の時には、集中豪雨などの変化はあまりなかったのですが、昨年と今年、意外と多く遭遇しています。昨年は賀茂川の堤自体が決壊して、氾濫してしまうのではないかと思うぐらいの大雨でした。今年はまだそこまで来ていませんが、それでも多量の雨には、昨年を彷彿とさせます。昨年と違う点は、短期時間で集中的に雨が降ることが特徴でしょうか。

 この時に、賀茂川の生物たちはどうしているのだろうかと、北大路大橋から濁流を見ていつも思います。濁流が終わるとちゃんと生物はそこにいるのを見ると、上流から流されて来たのだろうといつも考えます。流されないのもいるのだろうかと、つい考えてしまいますが、中州やヨシの根の間に避難しているぐらいしか思いつかず、結局よくわからないままです。


穏やかな時の賀茂川風景です

2012/07/21

糺の森での演習

 学部生の演習で先ほど糺の森へ行ってきました。曇りの日ではあるのですが、さすがに蒸し暑く、京都らしい夏の雰囲気を気温から体感させてくれます。糺の森で演習をするのは、年に1度か2度ほどありますが、行くたびに学ぶことが多い場所です。学生たちにもそのような感じを糺す森から受け取ってくれているのではと思っています。

 説明をしていると、通りがかった、いろいろな人も聞いてくれます。

糺の森での演習風景です

2012/07/20

太山寺本堂から見る緑


 神戸市西区の伊川谷は、学生の頃からのフィールドで、東京や福岡から関西に戻ってからも調査や授業の実習に行きます。ここのフィールドは、太山寺がやはり大きな存在感を示してくれます。特に、この時期、夏の本堂は、風が通ってひんやりとします。このひんやりしている本堂から、空いている扉の外を眺めると、緑の鮮やかさが見ることができます。視覚的にも涼やかさを出している感じがするのです。床の黒光りの空間もその色の個性を引き出しているような感じがするのです。少しの空間の少しの景観が、これほど効果的に色彩を強調してくれる面白さは、この本堂の楽しさかもしれません。

明るい本堂

2012/07/19

比叡の山の景観


 学部ゼミ生の指導で、鳥類調査へ一緒に行きます。私たちは、京都の船岡山で調査をしているのですが、鳥類調査は早朝からするので、いつも御来光を見ることができます。広がる街の空間と比叡の大きな山の存在のコントラストが美しく、思わずシャッターを切りました。

 この綺麗な雰囲気は一瞬です。人の来ていく人生の流れと同じかもしれません。そのちょっとの時間しか見れない景観ですが、大切にしたい京都の風景です。

比叡のお山です

2012/07/18

紫明会館と青空

 京都では、山鉾巡行も終わり、神輿渡御のお祭りがありました。伝統的なお祭りです。見ている人も暑さで厳しかったと思いますが多くの方が、京都の訪れてられたと新聞に記載されていました。伝統や文化は人をひきつけます。ランドスケープもそういったことを十分理解し、対応していくことが、良いアーキテクトになるはずです。そういったことを学生の皆さんにお伝えできれば、いいなと日々思っています。

 さて、そういったお祭りの中で、青空と太陽が厳しく照りつけつつある時間帯。紫明会館の建築と青空を見ると、私は、とてもノスタルジックさ感じるのです。なんとなくです。その時に感じることは、戦争前の雰囲気をなんとなく肌で感じられます。当たり前なのですが、私自身、経験したことはない昭和の大戦前の日本のなんとなく明るく、なんとなく不安定な雰囲気をこの光景を見ると感じます。

 言葉では難しいのですが、会館の雰囲気と夏の照りつけるような暑さ、そして緑の盛隆さが、何ともノスタルジックに見る人に何かを訴えているような気がしてなりません。

何ともノスタルジーな感じです

2012/07/17

祇園祭


 祇園祭は、京都の夏を彩ってくれる数あるお祭りの中の一つです。とても美しい装飾や文化財としてもとても価値のあるものであるため「動く文化財」とも言われています。長い歴史を経て、続けられてきたこのお祭りのクライマックスが今日の「山鉾巡行」です。

 このころからの京都の夏は油を撒くような感じの暑さが、徐々に来ます。京都らしいと言えば京都らしいのかもしれませんが、外に出るのが億劫になってきます。そんな中での山鉾巡行は、暑さを一時忘れるほどの圧倒さを、私たちに見せてくれると思います。

お囃子が町中を奏でます

 夜のそぞろ歩きで、祇園祭のお囃子が、練習の時以外に、これからあまり聞こえなくなるのも少しさみしい気がします。粽も家の玄関にかけなおしたので、また来年です。



2012/07/15

神戸郊外での大学の野外演習


 神戸の西区伊川谷は、私が院生のころからのフィールドです。今回は、大学の演習で、伊川谷へ行きました。環境デザイン学科と史学科の1回生を連れて都市近郊農村の空間を実体経験的に見てもらい、また太山寺の鎌倉期の国宝の本堂なども見学しました。建築を学ぶ学生が多いので、勉強になったともいますし、史学を学ぶ学生にとっても歴史空間を見ることが出来たと思います。

 特に、太山寺周辺には環境省の重要地域Aに挙げられている「太山寺コジイ林」の原生林があるので、学生の皆さんには、そちらの空間を是非、注目してくれればと思っています。見た目は何の変哲もない緑のこんもりとした空間ですので、それだけでは中々興味を引かない山だと思われます。授業で写真を見せたりしていたのですが、なかなか実感的にわかないものでも、実際に目にするとまた感覚が変わってくると思います。こういったことは、フィールドに出て学ぶ良さといえますね。

本堂の中は涼しいです

2012/07/13

ハシブトガラスの幼鳥

 ゼミ生の鳥類調査で一緒に行っているときに、この時期よく目にする光景です。ハシブトガラスの幼鳥が巣立って、親に食べ物をねだっています。この子たちは、一生懸命、食べる物をもらおうと懸命です。間もなく自分で食べ物を探さいといけないのですが、それまでは食べ物をねだって頑張っています。こういった光景は、スズメやシジュウカラ、ツバメなどの小型の鳥類もみな同じで、この時期らしい光景です。


子ガラスは必至です

2012/07/12

京都御所での鳥類調査

 現在、ゼミ生の卒業研究で鳥類調査の指導をしています。今の季節は、5時前ぐらいから調査開始です。日の出から、ほんの少したってから開始します。早めの調査するのは鳥類の活動時間帯に合わせてです。太陽が昇って行くにつれて、気温も上昇していくと、鳥自体も暑さで活動が鈍り、木陰で休息しています。鳥たちには、私たちのように体温調節ができないからですが、調査をしている私たち自身も、日中になればなるほど、京都の暑さでまいってきます。

 御所の烏丸通側の巨木へ、フクロウが飛来しているように、豊かな環境を都市の中で維持し、生態系のハビタットとしても良い空間ですが、調査をしていて思うのは、京都の暑さは、厳しい街だと実感しきりです。


フクロウたちもいる京都御所内です

2012/07/08

入谷の朝顔


 朝顔市で朝顔を買って、宅急便で送ってもらいました。夕方お願いして、次の日の朝には京都へ届きました。東京から京都なら1日もかからないのだと、今の流通のすごさを感じます。

 朝顔市の人には團十郎が入っている朝顔をお願いしました。いつみても綺麗な色合いです。朝顔は夏の風物だとつくづく思います。日本というより江戸の文化が脈々と続いていることは、そこの場所に根付いた風景なのでしょうね。

入谷の朝顔です

2012/07/07

入谷の朝顔市


 台東区の入谷鬼子母神界隈で7月6日から朝顔市が開かれています。毎年恒例の朝顔市です。昨年は、震災の関係もあって、自粛されましたが、今年は賑やかに開催されました。江戸時代から続く文化です。こういった光景は、その土地、町の色合いを強く出してくれています。鴬谷の駅には、羽二重餅のお店が出て、鬼子母神方向へ行くと道々に提灯が掲げられており、見るだけでとても楽しくなります。

 以前の職場がこの界隈にあったこともあって、てくてくと駅から歩いて行くと懐かしさが大きくなってきます。住んでいたころに見てきた光景も、少し東京から離れて住んで、改めて訪れると見方が変わってきます。そうはいっても大きな町の変化がない限り、その町の風景を人は覚えているものです。景観の見方は日々変わりますが、大きな町の改変がないと覚えているものだなと思いました。ただ今年は、スカイツリーが思ったよりも大きな存在であったことが、驚いた点です。スカイツリーが完成して、改めて見てみると、その周辺の風景や景観は大きく変化してきているように感じます。とはいっても、それはそれでこれからの台東区の「景」の1つに染み込んでいくのでしょうね。

 景観自体も、今日見た風景、明日見る風景も日々変わってくるものです。ただ、この朝顔市そのものは、江戸からの文化なので、決して変わってほしくない風景です。

にぎやかな光景です

2012/07/05

祇園祭のお囃子


 京都へ来て四度目の祇園祭です。博多にいるときは博多祇園山笠を見るのが楽しみでした。博多と京都ではお祭りの中身が大きく変わります。私にとって、どちらも甲乙つけがたいお祭りです。今日の京都はいよいよお祭り気分が高くなってきています。町中にコンチキチンのお囃子の練習が響いていて、京都の夏の風物を感じさせてくれます。伝統と文化。大きな、そして次世代へつなぐ文化財です。

あっという間にできていました