2011/06/26

夏空と電線

 京都らしい夏の暑い温度。徐々に、気温が上がっていくお昼前。梅雨であるのに、この週末は、良く晴れていました。大学に向かう途中の一コマです。初めは、小さな白い雲だったのが、ぐんぐんと青から白い色の部分へと変化して行きます。遠くにあるものは、どちらかっと言うと平面に近いはずなのに、この雲は、立体的に見えてきます。

 どうして立体的に見えるのでしょうか。どうやら目の前に線があることが答えだったようです。電線の線が、手前の空間を示し、その向こう側は、また別の空間を構成しているように思えます。写真の中でも、ちょっとしたアクセントの違いで、見るもの、見られるものが異なってきますね。夏の空と電線のモチーフは、自然のものと人工的なもの構成です。電線は、街の中で色々な表情を見せてくれる大切な要素と私は思っています。こういった風景も、ちょっとしたことなのですが、私にとっては目を楽しませてくれますし、色々な記憶が入道雲のようにたくさん沸いて出てきます。

 景観を読み解く時は、主観が多く、客観性を持たせることが大変難しいです。この写真でも、どこまで客観性を持たせて語ることが出来るのか、難しいと思います。とはいえ、風景や景観を読み解いていくことは、思ったより難しそうながらも、ゆっくり見ていくと色々な答えが出てきて、自分なりの答えが見つかると思います。

夏の空