2023/02/27

竜山一号墳石棺の据え付け

 高砂市生石の生石神社横には竜山一号墳があります。私が2003年ごろから高砂の竜山石関係に携わってからもう20年が経ちました。その時から気になっていた石棺。むき出しで今にもずれ落ちそうだった石棺でしたが,今回,整備をすることになり,その立ち合いをしてきました。70トンのクレーン車を用いての石棺移動で,蓋と身で約520kgもあるものですので,時間がかかるかと思っていました。さすがに石材業の皆さんです。きっちりとされている様は,プロフェッショナルだなと感心しましましたし,とても安心感がありました。据付の際には,今まで見られなかった身の底辺部の状態,また蓋を閉めた際の形状など,観察が出来ることも沢山ありました。

 この一号墳は,『史跡 石の宝殿及び竜山石採石遺跡保存管理計画』の一環でもあるので,整備を進めてきましたが,まだまだ周辺の整備がこれからも継続していきます。しっかりと据えられて,令和5年度には,わかりやすい解説もある案内表示板と共に,見学がスムーズにできると思います。ぜひ生石神社の石の宝殿をご参拝した帰り見てほしい石棺です。

クレーンが大きいです


2023/02/10

福岡のクロツラヘラサギ

 博多湾のクロツラヘラサギ(Platalea minor Temminck & Schlegel, 1849)とヘラサギ(Platalea leucorodia Linnaeus, 1758)です。多々良川河口や和白でも確認できました。多々良川などは,私自身が以前住んでいた筥松の横にあったのに,もっとよく鳥類の観察をしておけばよかったと今さらながら後悔しました。今回,九州産業大学での鳥類観察の関係で行ったのですが,クロツラヘラサギが飛来できる福岡の環境の存在を考えるきっかけになりました。また,アイランドシティにできる野鳥の公園のことも,何かしら考えるきっかけをこの鳥たちを見て思いました。

 160万を超える人口の都市で,こういった鳥類が生息できるというのは,福岡の大きな財産でもあると感じます。生物多様性を考える中で,色々な意見はありますが,大型鳥類が滞在できる環境は貴重です。その環境の在り方をどう維持していくのかを考える中で,この福岡市だけではなく,周辺の町も含めての広域的な視点での環境を考えなければなりません。

 クロツラヘラサギはIUCN 2023をみると増加傾向になっていると書かれていますが,成熟個体が2,250羽(201710月最終評価)しかおらず,楽観はできません。このサギが今後も生息できる環境を考えるにあたって,福岡の多々良川や博多湾の環境は大きな意味を持つといえます。

サギ2種います