2023/04/03

桜と青鵐

 桜の木の枝に青鵐(アオジ Emberiza spodocephala Pallas, 1776)が元気に鳴いていました。京都の北区にある原谷苑で見かけた光景です。人も多く来苑している中で元気よくさえずっていたのです。人のことをあまり気にしていないようです。桜色の花とアオジの黄色がよく合う感じです。アオジは,この京都では冬によく見られます。そして人が近づいても逃げないことも多く,近くで観察することもできます。人が悪さしないのを知っているかのようです。声もきれいですし,鳴きだしたら結構目立つ鳥です。

 桜を見ながら,声を聴きながら,この春の光景は,日頃の疲れも飛ぶような,とても良い気分になりました。

桜と青鵐


2023/04/02

太鼓谷稲成神社の鳥居と桜

 この太鼓谷稲成神社はお稲荷様ではなくお稲成様です。ですが,津和野百景図の「第二十一図 太鼓谷稲荷神社」は稲成ではなくて稲荷です。栗本格斎翁が間違えた?のかもしれませんし,もしかすると,当時はその言い方だった?かもしれません。

 百景図当時の絵と今の景観を比べてみると鳥居の数も今の方が多そうですし,景観も今の方が華やかな感じです。時代図るとはいえ,宇迦之御魂神様を祭るこの神社の位置や佇まいは,江戸時代と今を繋ぐ大切なものだなと実感できます。

 桜の季節に成れば,朱の鳥居との調和が何とも美しい景観を作り上げて言いますので,この時期だけの贅沢な風景と云えますね。

鳥居と桜


2023/04/01

旧津和野城の馬場先櫓

 津和野高校に隣接する場所にこの櫓は現存しています。津和野城は山城で,霊亀山にある城ですが,城郭そのものは霊亀山に残っておらず,唯一平地に置かれたこの馬場先櫓と物見櫓のみが残っているにすぎません。この馬場先櫓は江戸末期の火災後に再建されたといわれているものですが,当時の状況を垣間見られる唯一の建築物かと感じました。同様なものが,山城の方にもあったと考えると絵図にも描かれた壮大な城郭建築があったのだろうと想像してしまいます。廃藩置県で明治4年には廃城となり,積極的に解体されたため,今では石垣などが残るのみです。だからこそ,この馬場先櫓の存在は,景観の想像を膨らませてくれるものかと感じています。

 この櫓からちょうど東側を見ると青野山が垣間見られることから,津和野百景図ともリンクし,江戸期の光景がおぼろげに見ることができると思いました。ちょうど桜の季節で,桜と櫓,そして青野山。良い春の風景です。

馬場先櫓と桜