2013/12/31

雪の北山風景

 いよいよ京都にも雪が積もり始めました。暖かいベンガルから戻り,急に極寒です。そんな中,北山連山に雪が積もっているのを眺められました。葉の落ちた木々と雪の少し積もった感じを見ると,そろそろ登ってみたいと思い初めます。冬の山のシーズンだなと感じる瞬間です。なんとなくですが,「山が呼んでいる」気がするのです。そのような山の声を聞くとつい,そぞろに行ってしまいそうです。今年の1月も近郊の雪山にはいって行きましたが,次は北山連山の雪山に入ろうかなと思いました。

 今年も今日で終了です。皆様,良い年末年始を。

雪山が呼んでいるようです

2013/12/24

バングラデシュの鳥・インドハッカ

 インドハッカ(Acridotheres tristis)は,南アジアで良く見かける鳥類の一種です。英語表記では,Common Mynaといい,ムクドリ科の鳥類です。ここに生息している分には良いのですが,他の地域への移入種としてIUCNが侵略的外来生物として指定しています。今では,都市に順応した完全に近い都市型鳥類といえます。観察してみると動きは日本でみられるムクドリと同じです。食べているものもさほど変わらないようです。とことこ歩く姿は何とも言えずかわいらしいです。

 ここでは,様々な鳥類が見られるのですが,一眼レフで望遠レンズを持って来ていないので上手く取れないのが残念です。コンパクトの限界をつくづく感じます。今のバングラデシュの時期では,ツバメ類やインコ類など魅力的な鳥類が目の前をすーっと飛んでいたり・・・とまだたくさん見られます。Sundarbans(シュンドルボン)に行けばもっといろいろな鳥類が見られるのだろうと思うと,ぜひ時間を作って行ってみたいと思いました。



なかよくいます

二羽でいるのを良く見かけます

2013/12/23

バングラデシュの鳥・イエスズメ

 このイエスズメ(Passer domesticus)も一般的に見られる鳥類です。英語表記もそのままHouse Sparrow です。写真はペア。頭部が黒と灰色なのが雄で,草色が雌になります。日本のスズメと鳴き方は似ています。人をあまり恐れないスズメといわれている国もありますが,ここベンガルでは,人にはあまり近寄りません。日本にも迷鳥として飛来した記録と在来のスズメと交雑した報告もあるので,日本では要注意鳥類だと思います。とはいえ,ここベンガルでは普通の鳥ですので,そこかしこで見られることの出来る鳥です。
 
一般的な鳥です
 

2013/12/22

バングラデシュの鳥・アオハナドリ


 今,生活させてもらっている所のチッタゴンは,丘陵地ということもあり,緑豊かな空間が階層的に広がって見えます。実際,ここに暫くいると緑豊かな環境だと実感します。緑が多いのは,行政による緑化促進も一役買っていますが,それだけではなく,この土地に緑そのものが生えやすい土壌や気候を持っているからかもしれません。緑が多いことから,マンションの屋上にも様々な鳥類が飛来してくれています。これは,マンション屋上に緑を置く風習があるからのようです。緑のパッチをそこかしこに街の中へ作っているような感じですね。ですからマンションから眺めるだけでも十分な野鳥観察もできる環境になっています。

 そういった中で,アオハナドリ(Dicaeum minullum),英語表記ではPlain Flowerpeckerという鳥類を見かけました。マンションの屋上に置いてある樹木などへ止まったり,コンクリートの上に行なかなかよく動き回っています。この鳥のの生息場所は,ミャンマーや東南アジアなどといわれています。ここチッタゴンはミャンマーとの国境に近いこともあって生息しているのでしょうね。

 大きさは9cmほどと,こちらのガイドブックには書いてありますが,さほど大きく感じません。動きはメジロに近く,頻繁に行動しています。特に,樹木の中に入ると動いているのは確認できますが,保護色がとても効いている鳥類だと感じました。中々かわいらしい鳥です。


動きが早いので撮影が大変

2013/12/21

バングラデシュの鳥・ホオジロムクドリ

 この街ではホオジロムクドリ(Gracupica contra)を良く見かけます。英語表記では,Asian Pied Starling ,もしくはPied Mynaといいます。木の実,雑穀,昆虫類と何でも食べるようです。日本のムクドリのような色ではなく,白色がアクセントの鳥類で,声が思ったよりきれいなのです。かつて,東京に移入したこともある鳥だそうですが,現在も繁殖しているのかよくわかっていません。東京に生息していたとの事を考えると,寒さには多少強く抵抗できるということですね。動きは,なかなかかわいらしい動作を見せてくれます。

 色彩が南の国のような感じをつい受けてしまいますが,生息範囲は結構広いようです。南アジアっぽい感じを受ける鳥です。この鳥の行動を暫く観察してみると,日本のムクドリとよく似た行動をとっています。ムクドリですから,その通りなのでしょうが…。

下を見ているホオジロムクドリ

2013/12/20

バングラデシュの鳥・イエガラス

 この街にはイエガラス(Corvus splendens)が多くみられます。おそらくこのバングラデシュで個体数の一番多い鳥種ではないでしょうか。スカベンジャー(掃除屋さん,scavenger)としての役割を担っていることで,街にとって重要な鳥類です。ただ,こちらの学生に聞くと,カラスそのものが嫌いだといった声も聞きました。

 飛んでいる姿などは中々,かっこいい鳥で,一羽で胸を張っている姿などは,灰色のベスト,ジレを着たような感じでおしゃれな雰囲気を持っているカラスだなと思います。なかなか格好がいいカラスですので,結構長らく観察してしまいます。人が見ていると,このカラスたちは,「危険かも」と思うようで,さーっと逃げてしまうのが観察している者にとって残念です。警戒されないように…といつも考えてしまいます。

 このイエガラスは日本には野生生息していませんが,ここバングラデシュでは最も一般的なカラスです。カラスですので夕刻にはしっかりと塒へ帰ります。その折の飛翔の高低差が中々興味深いことやその折の行動の様が面白い鳥です。これからどう景観生態学に研究として考えられるのか,研究素材として楽しみな鳥類だと思いました。

 とはいえ,このイエガラスがアザーンの声に乗って飛翔する光景は南アジアの雄大な景色にとても似合っているような気がしています。

夕刻とイエガラス

2013/12/19

バングラデシュの街・リキシャデザイン

 2008年から毎年このバングラデシュに来て思うことは,だんだんと大きく変化しているということです。もちろん経済的にも発展し,住民へ大きな変化が見えてきますし,政治的な風習なども大きく変化しています。そういった中であまり変わらないものもしっかりと残っています。

 その一つが,人力車(リキシャ)のデザインです。ディテールはほとんど変わりません。動力源が人力であるのもそのままです。最近では電気自転車に改造したものもあるそうですが,そうはいっても主電力は人力です。加えて,色彩についてもほとんど変りません。変わらないというより芸術性豊かなリキシャのままだと感じます。色彩創造性が豊かな事は,以前と変わらないようです。

 さまざまなリキシャデザインの中で原色豊かなものは見ていて楽しいものです。この南アジアの力強さを感じます。
 
カラフルです
 

2013/12/18

バングラデシュの街・街路樹風景

 このチッタゴンの街は,街路樹が多く植栽されています。日差しを遮る役目が多いのですが,見た目にも落ち着いた街を形成しています。緑の効果といえるのでしょうね。このチッタゴンの街路を歩くと緑が多いなと実感します。日本の街路樹景観と違うのは,マメ科系の樹木を多く植えていることです。成長が早いからかもしれませんが,この南アジアの景観の特徴が垣間見えるような気がします。

 今月はホルタル(ゼネラル・ストライキ)が続いているので,車の少ない風景です。
 
緑が豊かな街路樹です

2013/12/17

バングラデシュの街・屋上の菜園


 チッタゴンの街中では,色々なものが見られます。その中でも屋上はあまり目にしない場所です。というのもマンション所有者の空間でもあり,それ以外の人はあまり入って行けないからです。そういった場所には,意外にも菜園をしていることを見ることが出来ます。簡単な葉物を植えていることが多いのですが,少しのスペースで育てているのを何度か見させてもらいました。

 こういった場所では,マンションの管理者が菜園として管理しているそうで,基本管理者の人が食べるそうです。隙間産業のような感じですが,なかなか魅力的な空間だと思いました。


小さな菜園

2013/12/16

バングラデシュの街・鉢植えの緑

 チッタゴンのマンションなどの屋上には,鉢植えの緑が置かれているのを良く見かけます。住み込みなどマンション管理をしている人が置いているようです。高層建築物の上から見渡すと屋上緑化として鉢植えを多く置いているのを見かけます。置いている植物の基本は,花が咲くものが皆さん好きなようです。そのほかの植物は,日本でもみられる観葉植物が多く見られます。
 
 写真の鉢植えもその一つです。ちょこっと植えて,日当たりのよい所に置いてあります。このチッタゴンの街は緑が多いのですが,屋上にも多く置いていることから,「緑の好きな街」もしくは「植物が好きな人の多い街」ともいえるかも知れません。
 
 
ちょこっと置いてあります
 

2013/12/15

バングラデシュの街・住宅街の緑

 チッタゴンは,緑の多い街です。シレットやクミッラよりも緑が多い気がします。緑豊かな街は,見ていても美しく感じます。今日の気温は23度。涼しい風も時折吹いてきます。今月ぐらいから1月位までが冬の過ごしやすい季節です。アザーンの声も響く街の中で,風に揺れる街路樹や公園の緑が心地よく感じます。

 バングラデシュに来たことを実感します。

街の中の緑

2013/12/13

研究室の忘年会

 今の研究室に所属するゼミ生の人数は修士2年生から学部3年生まで13人います。ゼミ生を私の家に初めて呼んで忘年会を催しました。卒業生も来てくれましたので多くの人数になりましたが,家の京町家の土間や通庭,部屋をうまく使いきって,問題なくスペースが出来ました。初めての試みだったので,これだけの人数が入るのだろうかと実は心配したのですが,全く問題が無くまだまだいけそうだなと思われました。明治期の昔の建築に戻したことが良かったようです。ゼミ生の皆さんには,暖が火鉢中心でしたので,外の風が入ってくる土間は寒かっただろうなと,反省していますが,楽しんでくれたようで,少しほっとしました。

 12月は私の誕生日で,それを覚えてくれたようで,妻と私へ,お花とケーキをゼミ生からいただきました(どうもありがとう!)。ケーキの写真は,一部だけしか撮影できていなかったのですが,お花はしっかりと撮影していましたので,その写真をアップしました。花瓶に生けると部屋に合った感じです。花をいただくのはうれしいものです。部屋が明るくなります。

 来年も開催したいと思っています。
 
 
お花を頂きました
家にお花があるのはいいですね
 


2013/12/07

京都の冬の風物詩

 賀茂川に掛かる北大路大橋の南に目を向けると,朝靄の中にユリカモメが群生でいます。この時期,下流から上がってくるのです。ユリカモメ(Larus ridibundus)は,京都で都鳥ともいわれます。ミヤコドリ(Haematopus ostralegus)とはまた違う鳥になりますが。

 在原業平が詠んだ歌で,「名にしおはゞいざこと問は都鳥む わが思ふ人はありやなしやと」(伊勢物語九段東下り)にあるように,都鳥は歌にも詠まれているのです。ユリカモメを都鳥というようになったのは,古典の中からなのでしょうね。
 
川の中にいます
ユリカモメたち
 




2013/12/06

大山崎山荘の建築と庭の見学


 大学院生の講義と見学の一環として,今回,大山崎山荘美術館へ行きました。この日は,秋空が映えて,気持ちのいい日でした。ちょうど紅葉も最後の時期になって差し掛かっています。
 
 安藤忠雄さんの建築の空間と庭の空間との連動がとても美しい感じを醸し出してくれているので,見ていてすがすがしいと思いました。多分,秋の色もそれを添えているのかもしれません。

 学生にとっても,初めて訪れた人もいて,今度のレポートにどういった事柄を書いてくれているのか,楽しみです。


説明中です
庭のいろどりが綺麗です



2013/12/05

車窓景観の調査でのアンケート


 研究室のゼミ院生が,車窓景観に関する調査研究をしています。主には,地理情報システム(GIS)を用いてデジタルの視点から保全すべき場所を示す研究です。しかし,景観は人間が見る視野の中に入るものですので,コンピュータによるデジタル操作だけではなく,アナログですが,人の感覚の情報も必ず必要と考えています。そこで,鉄道沿線に住まわれている方々に対して,アンケート(「鉄道車窓から眺める六甲山系の意識に関するアンケート」)のお願いをポスト投函により,先週に行ってきました(もし,ポストに入っていましたら,お手数ですがどうか宜しくお願いします)。

 私も手伝って,神戸駅と元町駅の周辺2駅分の投函を行ってきましたが,さすがに住んでいた街とは言え,歩き回ってみると簡単そうで意外と大変でした。神戸で生まれ育ったので「知っている街」と思っていましたが,今回アンケートのポスト投函で,街の色々な顔が見られたと思いました。ここにはこんなお地蔵さんがいる,ここには魅力的な小さな路地がある,ここは都市型鳥類が非常に多い・・・など,知らなかった街の景観が見えてきましたので,それはそれでいい発見でした。

 とはいえ,本題のゼミ院生の研究のアンケートは投函して今日で約1週間。既に約1割強戻ってきています。戻ってきたアンケートの内容は,現在集計中で,これからいろいろと見いだせられることが有りそうです。神戸の皆さんの景観に対する意識の高さがうかがえる内容も多く,記述の部分も力強く書いて下さっています。神戸っ子としてはなんだかうれしい限りです。

 神戸はユネスコのデザイン都市ですが,景観がどんどん壊れているのではないか,街で市民が共有する空の部分は高層建築で減少し,六甲の山並みもスカイラインが徐々に美しくなくなってしまっている・・・。そういった点も考えていくと,景観のあり方はとても難しく,どうすればいいのか理解しづらくなってきています。この院生の研究が何かしらの一助になるだろうと期待している所です。


トアロード西側ぐらいまで投函しました
これで300通分です



 


2013/11/23

府立植物園のヒマラヤスギ

 このところ,昼の時間の合間に植物園へ良く行きます。頭をリフレッシュしたくなる時に植物園で鳥や樹木を見てきます。以前,院ゼミ生が植物園内の鳥調査をしていた時,一緒に行き,鳥を見落とさないよう指導していましたが,いまはのんびりと鳥たちを見ています。

 写真にあるヒマラヤスギは,大きな卵のようなものを付けます。単に紡錘形の「松かさ」なのですが,あれを見てゼミ生が,「後輩からあれは何でしょうかと言われたので,鳥の卵と言ってみたら,信じていましたよ」といったことをこのヒマラヤスギの「松かさ」を見ると思い出します。本当に大型鳥類の卵のようにみえますね。
 
 植物園は,なかなか面白い風景を私たちに見せてくれています。


卵の様な松かさです

2013/11/22

府立植物園での講義

 ランドスケープに関する講義をしているのですが,ここ数日,特に今日は講義室に閉じこもるのはもったいないぐらい,あまりにも天気が良かったので,急遽植物園へ行くことにしました。キャンパス横に府立植物園があるということは,この大学の大きな財産だとつくづく思いますし,学生にとっての生きた学習素材がいつでも見られる,学べられるのはとても幸せな事だと思います。

 植物園で,造園の話をしつつ,せっかくなので盆栽と植物について話をしました。植物園内の北西部に盆栽を置いている場所があるのをご存知でしょうか。端なので,いかれない方も多いかもしれませんが,興味深い盆栽も多く展示されています。

 ここでは,盆の中になる樹木と地植えの同一の樹木を見てもらうことで,植物のデザインの面白さなどが,実物を通して少しは理解できたのではないかと思いました。実際には,ケヤキの盆栽と,地植えのケヤキの樹幹の違い,大きさの違い,樹齢についてなど,観察することで,デザインの楽しさ,ランドスケープに樹木を使用するときの感覚が身について,学べたのではないかと思います。

盆栽は見ごたえがあります

2013/11/20

北山の大学構内の秋光景

 北山(下鴨)にある大学の構内には多くの樹木が見られます。この時期の構内の落葉樹は,多彩な色彩で明るく華やかになります。空が晴れていると日の光が葉を通って,透かした色に赤色や黄色がとてもきれいに見ることができます。京都の錦秋の空間そのものです。この時期,京都の北山はとても寒く感じますが,紅葉の風景がその寒さを少し和らげてくれているように感じます。
 

日の光が葉を透き通って見られます
南門のイロハモミジです
 



2013/11/18

芳春院庭園見学


 大学キャンパスからほど近い所に大徳寺があります。毎年,この大徳寺の塔頭である芳春院さんの庭へ,大学院の講義見学として伺わせて頂いています(いつも有難うございます)。

 来る度にこのお庭の良さが見えてくるような気がします。学生を連れていくのは午前の拝観できる時間帯の早い時間に入っています。というのもこの時期の京都は,錦秋のとても良い季節ですので,訪れる人がとても多く,出来るだけ早めに拝観させて頂いています。

 今年も塵が落ちていない,清掃の行き届いたお庭をゆっくりと眺めると,秋の明るい空色と枯山水の空間がとても美しい山紫水明のような感じを浮き出させています。毎日のお掃除がとても行き届かれており,心が洗われるような気持になります。

 このお庭は,京都の中でも電信柱などが見えない唯一の庭の空間といえます。幕末からほぼ変わらない環境を眺められていることは,周辺の地域の景観を守ることについて,色々と考えさせてくれそうです。
 


院生の見学です
まだ色づきがこれからです