2011/09/28

カルガモ

 鴨川の北大路大橋たもとでカルガモ(Anas poecilorhyncha)を見かけました。きれいにほぼ一列に並んでいます。ちょうど洲が少しあるところに並んで休んでいるようです。水の流れの抵抗もなく、彼らにとって無駄なエネルギーを使わないこと、そして何よりも外敵の哺乳類などからの影響を受けない場所であることから、安心して休んでいるようです。

 鴨川は生き物の宝庫です。普段何気に見ている空間の中に何かしらの生き物の気配を感じますし、実際視野の中に必ずと言っていいほど確認できます。ぜひ鴨川を見る機会があれば、生き物を探してみて下さい。いないと思われるかもしれませんが、いないのではなく私たちの意識、認識する事がしっかりと出来ていないだけなのです。意識すると見えてきます。そうすると生き物の豊かな空間が見えてきます。

 ランドスケープを学ぶ上で観察は大切です。簡単な観察をしてみても楽しいと思います。

カルガモ

2011/09/27

大学での学部生の中間発表

 今日は、学部生の中間発表の日です。研究室所属のゼミ生3人は、しっかり発表を頑張ってくれました。1人は京都市内での鳥類飛来と街路樹との関係について、2人は景観ですが、京都市白川の景観についてと高砂市の石の文化的景観についてです。3人とも時間内にプレゼンができ、ほっとしました。ただこれからあっという間に時間が無くなりますので、これからがゼミ生たちの勝負になってきます。調査データを集めること、それらの解析をしていくこと、論文にしていくこと・・・。なかなか、休めない日が来るような気がしていますが、昨年と同様に、皆さん頑張ってくれると思います。

 今日は、とても快晴で、秋の涼やかな一日でした。昨年に比べて、涼しいような気がします。秋晴れは気持ちがいいです。この秋晴れのようにすっきりとゼミ生の論文が出来上がれば、安心するのですが、まだこれからですので、心配は多くあります。

 9月の秋になり、秋の虫の声もどんどん増えているような気がします。通勤の途中に声をよく聞きますし、帰宅する夜にはもっと多くの虫の声が聞こえます。なかなか楽しい時間です。空間を切り取ることは難しいですが、音も切り取れれば面白いかもしれないと考えながら、虫の声を聞いて帰宅しています。虫の声は、季節感を醸し出す良い要素で景観の要素でもあるのです。さて、この景観要素は目に見えないのでどう扱えばよいのでしょうか。景観は答えがなかなか出てこない難しい研究テーマです。

鴨川の秋

2011/09/26

首途神社の空間と鳩のデザイン

 智恵光院通り今出川上るところに首途神社という源義経ゆかりの神社があります。今、私が住んでいる京都の家からそう遠くないので時折、参拝に行きます。神社の少し長い目の参道横は、公園とお店の駐車場があり、境内の外の智恵光院通りの道路から神社を見ると、参道の隣の空間の雰囲気がとても気になります。ただ、参道に入ると境内に入るまで気になっていた横の空間はあまり気になりません。

 視野の中に入っているはずの横の空間が気にならないのはどうしてだろうかと考えました。恐らくですが、目の前にある参道が直線的で視野をその方向へ集中させてくれていることではないだろうかと思うのです。もう一つは、俗世的な周囲と参道の異質な空間そのものが、目で見ている範囲であっても、空間を意識的に分けるのではないかと、これは日本の屏風による空間の区分けに似ているのではないかと思いました。

 境内の奥の中に入って行くと水盤舎(手水舎)があり、その水は鳩から水がでています。この鳩はとても精巧に作られており、羽の細部までも驚くほど美しいのです。職人さんの腕の良さを感じさせてくれる意匠です。とても美しい造形デザインで、この鳩を見るだけでもデザインを学ぶ学生にとっては価値があるものだと思いました。

 デザインの美しさをさりげなく見せてくれる鳩の造形です。

首途神社の鳩

2011/09/25

京都の北野天満宮の鳳凰

 今日、25日は北野天神さんの骨董市(天神市)でした。多くのお店が出店されており、とてもにぎやかです。今日は天気も悪くないのと、気候が穏やかだったので、ゆっくり見ることが出来ました。多くの人が色々なお店を覗き込んでいます。私も何軒か骨董屋さんを見て回り、家で使っている大正期の同じ雀の柄の小皿を見つけ、つい追加で4皿ほど購入しました。こういった楽しみが天神市にはありますね。

 天満宮に参拝すると、境内に「ずいき祭り」のための神輿や装束などが飾られていました。写真は、その一部の鳳凰です。とても精巧なもので、感嘆する美しさでした。こういった伝統的な物のデザインの良さをそばで見ることが出来、身近に接することが出来るのは、京都の良さなのかもしれません。

ずいき祭りの鳳凰

2011/09/24

京都の喫茶店と時間について

 子供の頃は、よく祖父に喫茶店へ連れられていました。住んでいた須磨や神戸、元町界隈の喫茶店です。まだ、シアトル系などのコーヒーショップなどは無い時代で、ある意味、私にとっての普通の喫茶店の楽しい時代だったのかもしれません。大学生の頃までは喫茶店と言えば、普通に珈琲が飲める場所であり、いまのチェーン店系の軽く飲める場所はそんなに無かったような気がしますし、有っても行く気があまりありませんでした。そのうち東京で働き出してから、シアトル系のコーヒーショップでコーヒーを飲むのが日常になってしまいました。その変化は自分にとっての時代の違いのような気がします。

 2年前に京都に移り住んで間もなくの頃から、住まいのある西陣より、歩ける範囲で行ける古い一軒の喫茶店へ、ちょこちょこ行くようになりました。もちろん、今でもゆっくり落ち着かせる必要のない場合、シアトル系のコーヒーショップはよく利用しています。しかし、そういったコーヒーショップではなく、この写真の喫茶店へは、時間があるときに行くことが多くなりました。京都へ来てからですが、お店を使い分けています。

 写真のお店にくると須磨や神戸元町の喫茶店で感じた子供の頃の雰囲気を思い出させてくれます。そして、このお店へ行くと気づかせてくれることがあります。それは、喫茶店ですから珈琲を飲むことは大切な点ですが、それよりも、時間を楽しむことがとても大切なんだと気づかせてくれている点です。これは、自分の生活の時間を考えさせられるような気がしています。チェーン店では、人の動きが落ち着きません。お客さんが入れ替わり立ち代わりで、ガサガサしています。それは、人の生きていく時間の中で追いかけられるような気もするのです。それはそれでいいのですが、反対に「ゆっくりする」といったことは喫茶店だから出来るのかもしれません。

 単に珈琲を飲むことと時間を楽しむことだけなのですが、それだけの時間の流れの面白さを提供してくれる様は、古い喫茶店の力かもしれませんね。

古い喫茶店です

2011/09/22

東京上野の大熊猫(パンダ)デザイン

 友人より、パンダに関するお菓子と日本手ぬぐいをもらいました。
(どうもありがとう。感謝不尽、謝謝!
 お菓子の方は京都のお菓子なのですが、パッケージだけは上野のパンダバージョンで、東京限定だそうです。デザインがとてもかわいいですし、簡素なデザインでパンダと分かるのも面白いものです。日本人は、パンダが好きな国民なのかもしれませんが、やはり見て楽しいかわいらしいパンダデザインです。

 財団で働いているときに調査の仕事で、中国の佛坪(Fuping)のパンダ保護区に行ったことが有ります。子供のパンダを触らせてもらったときにふわふわしていました。その感触はまだ覚えています。パンダは「熊」なのですが、なんとも興味深い生き物です‥。

日本手拭とお菓子パッケージ

2011/09/21

東京丸の内・明治生命館

 丸の内へ行った際、ちょうど明治生命館が一般公開されていたので見学しました。外観はコリント式の大きな列柱があり、重厚です。そして、内部は外の重厚さと重なりながら、美しい空間になっています。廊下の先の窓には、皇居の緑が見え、灯りが廊下を照らしています。丁寧に管理されて、多くの人が使ってきた空間です。この内部空間は、時間のデザインが美しい作品だと思いました。

 戦前の丸の内については、若い時に丸の内で働いていた祖母からよく聞かされました。華やかで楽しい空間で、働いているだけでもその空間は楽しかったと聞いています。この建築は、丸の内でも古き良き東京の空間が継承されていると思いました。

明治生命館の廊下

2011/09/20

東京丸の内・街路空間

 東京丸の内の街路は、いつ行っても「良い街路」だなと思います。要素が単体で良いというよりも、街全体の空間がよい空間を作り出してくれているのです。例えば、歩道や車道の石畳、ベンチ、街路樹や花壇、周りの建築物、ショップのディスプレイなど。街路樹の使われ方だけではなく、街路樹に掛けてあるハンギングバスケットの植栽もデザインの美しいものが多いでよく授業でも事例で使います。


 東京に行くときによく見に行く街路空間です。

丸の内の街路

2011/09/18

東京丸の内・オープンスペース

 東京丸の内2丁目に三菱一号館美術館があります。その中庭のオープンスペースです。東京のオフィス街の真ん中に緑の空間が作られています。とても過ごしやすい空間です。この撮影した日も多くの人が談笑して休んでいました。

 ランドスケープ・造園を教えている職業的な習性で、このような空間を見るとつい写真を撮ったり、長居をしてしまいます。それだけこの空間が楽しい空間だったのかもしれません。それは、緑があることだけではなく、上を見上げると青空があったり、人が楽しげに行き交うさまであったり、いろいろなものが複合的に良い空間を作り出しているのでしょう。

 もしかすると都市型鳥類だけではなく、いろいろな鳥も飛んでくるかもしれません。そうなるともっと楽しくなりそうですね。

都心のオープンスペース

2011/09/17

北京の街・胡同の路地での夕方

 胡同の路地を歩いていくと、夕方の美しい時間に出会うことが多くあります。

 夕方の忙しくなる時間帯に夕焼けの日が人の影を伸ばしていき、どんどん影を伸ばしていくのです。夕刻に入る前の北京の夕焼けはとてもきれいです。電信柱や電線、家の影など、モノトーンの躍動感がとても美しいのです。その一瞬を見られることは、北京に来て良かったと思える瞬間かもしれません。

胡同でのひとこま

2011/09/16

北京の街・胡同の緑の使い方

 胡同では、いろいろな緑の使い方を見ることが出来ます。写真は、そのうちの一つの形態です。色々な状況下でも人は緑を置くことをするのだなあと思いました。緑が人を引き付けるのかもしれません。ちょっとした空間に置く鉢植えの緑は、その鉢の中では大事にされていると思いました。周りは気にしません。「とにかく緑を置きたいんだ」といった気概を、その胡同にある家からひしひしと伝わって来ました。

 このような感覚での似た風景は、東京でも見ることが出来ます。私が東京の亀有に住み始めた頃、綾瀬や亀有界隈をよく散策していました。また、職場は下谷にあったので、谷根千界隈もよく歩いていました。そういったときに、「とにかく緑を置きたい」、「緑を植えたい」といった気概を感じる光景をいくつも見ました。洗面器や発泡スチロール、古いシステムキッチンなど「土」が入れられるものであれば何でも植物を植えていました。人の緑への思いを色々と考えさせてくれます。

 北京の胡同の中でも、東京の下町でも「緑」が好きなのは皆同じだと思いました。こういった光景は、私にとってとても興味深いですし、見ていて楽しい光景です。この光景は、緑化デザインの中で、ある意味、完成された美しさがあると見るたびに私は感じます。

緑の使い方

2011/09/15

北京の街・胡同の家の入り口の緑

 胡同にあるそれぞれの家は、緑が多く見られます。それは、家の中庭で植えられているのです。胡同の人がすれ違うのも狭い路地を歩いていくと、よく扉があいているのですが、その中に緑が見られるのです。夏の暑い季節に、この緑陰の光景は、見るだけでも涼やかさを感じます。

 緑の木陰は、視覚的にも涼しい光景を作り出してくれます。視覚効果ですね。見るだけではなく、本当に涼しいのだろうと思います。人が扉をくぐって入っていく中で、緑の木陰があることは、「おもてなし」の気持ちを伺いすることのできる素晴らしいデザインだと思いました。北京の街の中で、ちょっとした「しつらえ」がとても楽しく、また勉強になります。

入口の緑陰

2011/09/12

北京の街・前門大街とデザイン

 前門は、清の時代に建てられた大門です。その大きな門の南側前に、前門大街があります。再開発された場所ではあるのですが、かつての空間を再現しており、外国人から見て中国らしいノスタルジックな空間の一つです。中国の人にとってどうなのかは、聞けなかったのですが、清朝末期から時代の空間を再現している気はします。写真は、電気で走る路面電車で、環境に配慮した乗り物空間も走っています。日本よりもこういった面は、進んでいるなあと思うことしきりです。では、私たちが住んでいる日本の京都や東京ではどうなのでしょうか。考えること、考えなくてはいけないことは、たくさんありますね。

 国際観光都市としての北京のこの前門大街の空間は、とても面白いものがたくさんあります。その中でもお店の看板は最たるものかもしれません。そこにある建築物、店舗として入居している建築物に合った看板デザインに変えています。京都でも色彩について条例で示されていますが、なんとなく歪観を感じざるを得ない店も見受けられます。もちろん北京でも相容れそうにないデザインはあるのですが、京都以上に柔軟に変化しているのではないだろうかと思いました。

 この前門大街では、看板デザインの楽しさを見せてくれます。デザインの良い勉強ができる街の空間の一つです。

前門大街

2011/09/11

北京の街・天壇公園の西門前

 天壇公園は、世界でも有名な円形形状の建築物がある公園です。訪れる方の多くは、その建築物の見学に来られています。建築があまりにも有名ですが、実はこの公園、建築物だけではなく公園そのものも、とても魅力があるのです。丁寧に管理された公園は、市民の憩いの場所でもあります。夕方の日の光が木々の間を通り抜けて、道の上に光を並べています。

 この公園で散歩する人を多く見かけました。とても緩やかな時間の流れを感じました。夕方といった時間がそれを作り出しているのかもしれません。ニセアカシア中心の木々の緑は、光の散光によって美しく見え、丁寧に管理された空間で、とても美しい時間と空間を提供してくれていること。これは、北京で生活する人、そこへ訪れる人へのより良い時間を提供しているように思えます。

 木々の緑は、使い方によってとても豊かな気持ちにさせてくれます。緩やかな夕方の楽しい時間です。

夕方の天壇公園

2011/09/10

北京の街・カフェ

 鼓楼東大街を通っているとき、疲れて喫茶店へ入りました。お店の雰囲気はとても良く、そしてお店の方もとても親切です。若いご夫婦でお店を切り盛りしていました。頼んだ西瓜ジュースを飲んで街歩きの疲れも飛んでいきました。

 椅子に座って、ぼうっとして街路を眺めていると牛乳珈琲をサービスしてくれました。疲れた体にさらにほっと一息です。コーヒーを飲んで、外を眺めて見ていると街路樹の緑陰が美しく見られました。北京にいるのですが、北京では無いような、それでいて日本でも無い空間が広がっています。緑を見ると気分も楽になります。

 少し不思議な気分ですが、緑陰とともに、とても豊かな時間を過ごさせてもらったような気がしました。北京はどんどん変わってきています。そういった中で、ゆっくりできる時間の空間があるのは、とても有りがたいと思いました。

北京のカフェ

2011/09/09

北京の郊外・延びる道路と緑

 北京郊外の北京城区入口あたりです。感嘆する位、遠くまで道路が広がっています。それも真っ直ぐです。日本では見られない光景です。道路の両脇には、高層マンション群が立ち並び、北京市中心部からのベットタウンになっています。そして、道路の両脇には、緑を多く配植し、そこに住む人たちへの環境に配慮した取り組みと景観への配慮も見られます。

 このような中国における造園や緑化の事例については、とても興味深いものがあります。学生の頃から何度も訪れていますが、その度に広い国土を持つ中国での取り組みを見ることは、いろんなことで刺激になりますし、造園、ランドスケープの講義の中に取り入れることのできる好例と言えるのではないかと思うのです。中国の造園に関して、色々な問題もあるにはあるのですが、それを差し引いても良い事例を見ることのできる広いひろい中国です。

郊外の緑化事例

2011/09/08

北京の郊外・河川敷の緑

 北京の空港から三元橋、東直門まで行く途中に温楡河があります。その河川の岸には、芝が刈り取られ、川の両岸もきれいに整備されています。写真の中の向かいの道路は、空港につながる高速道路です。北京の郊外では、緑が豊かな空間が広がっており、とても美しい緑の空間を作り出しています。

川と緑地

2011/09/07

京都の近郊農村 その2

 近郊農村を見ていくと、はぜ掛けの稲を見ます。直接、お日様にあてて、乾燥させると美味しいお米が出来上がります。これは、機械で乾燥させるのとは訳が違います。学生の頃、愛大農学部の生物生産で学んで、付属の北条農場で技官さんが教えてくれました。

 その後、食べ比べる機会もあったのですが、確かに味が全く違いました。同じ品種であったのですが違うのです。断然、はぜ掛けをして日光で乾燥させた方の食味が、旨みも高く美味しかったのです。これは、とても贅沢な食なのでしょうね。

はぜ掛け

2011/09/04

京都の近郊農村 その1

 京都の中心部から離れた北山の奥に、近郊農村が谷に沿ってあります。北山の山へ地図とコンパスだけ持ってトレッキングしている最中に、急に目の前に広がって出てきました。のどかな空間です。山を歩き回って急に農村が出てくるとなんとなくほっとします。

 アキアカネが多く飛びまわり、ニホンイモリなども用水路に生息していました。とても豊かな農村生態系を構成しているようです。作業をしている農家の方に聞くと、トンボはこの時期、毎年多く飛来していると言っていました。楽しい里地里山の空間です。

 少し都心を離れると、農村の空間が広がります。関西の大都市である大阪や神戸も少し行けば、豊かな農村空間が広がります。見ているだけで楽しい空間ですね。こういった箇所での鳥類の飛来は、私が博士課程の学生の頃に神戸の近郊農村で鳥類調査した結果と似ているのだろうなと思いました。

近郊農村

2011/09/03

ニレケヤキとアブラゼミ

 研究室の窓を開けていると、アブラゼミ(Graptopsaltria nigrofuscata)が飛び込んできました。夏の間、ほぼ毎日、出くわす光景です。研究室の周りには、カツラやケヤキの樹木が多くあり、夏になると毎年、たくさんのセミを各樹木で見かけます。大学には、カラスやヒヨドリなどの鳥類も多く生息し、特にハシブトガラスとハシボソガラスは、キャンパス内のセミを夏場の良い蛋白源として捕食しているようです。もちろん、鳥だけでなく大学構内に居るノネコもセミを食べていますが…。

 そういったことで、カラスたち野鳥に追われて、研究室に飛び込んでくるセミがいるわけです。その中にはたまにですが、部屋に置いてある京都府立植物園で2年前に購入した盆栽のニレケヤキ(アキニレ:Ulmus parvifolia)へ止まる個体もいます。彼ら彼女らは、一刻止まって、またすぐに外へ出ていきます。

 京都の都心部で便利な場所にある大学とはいえ、ちょうど洛外の際に当たります。また、周りは植物園もあり、大学構内も植物が多く、郊外にいるような錯覚を覚える研究室です。

樹にとまるアブラゼミ

2011/09/02

半分の空の色

 大学の帰りに空を見上げると面白い空を見かけました。右と左の空の色が違うのです。片方が霞んだようになっているのですが、それがきれいに色分けされているのです。多分ですが、飛行機雲から風の流れで、きれいに分れたのかなとも思いました。そして、光背の夕焼けが色を浮き立たせている光景がまたきれいな雰囲気を出してくれています。

 「色を流すような感じ」といった表現が一番しっくりしているなと、思いました。

はんぶんのいろ