2011/06/05

ハシブトガラス

 京都府立大学には、二種類のカラスが見られます。
 ハシブトガラス(Corvus macrorhynchos)とハシボソガラス(Corvus corone)です。この中で、ハシブトガラスが幾つか構内で営巣をしています。学生たちは、巣の有る無しについて研究に関連することでも無いことから気にかけていることをしないでしょうが、見渡すと幾つか見つかります。もう少し季節がたつと巣立ちの時期になります。巣立ちの時期になると、おぼつかない状態で動き回っている若鳥の姿を見かけますので、気をつけて見ていると、巣立ったばかりだと動きでわかります。

 この構内では、早朝に、ハシブトガラスがゴミ箱をあさっています。前日のごみ清掃以後に廃棄されたゴミが、カラスのごちそうになっているわけです。掃除をされている方は大変です。早朝からあっちこっちにとゴミが散乱しています。このことは、捨てる側に問題があり、カラスがすべて悪いわけではないともいえるのです。ただ、やはり清掃の方は、掃除が大変です。
 私のマンションでもゴミをちゃんと出されない方がいます。前日に出してしまうのです。そうなるとカラスのごちそうが出てきてしまい、荒らされてしまいます。管理人の方は、片づけに大変です。でも「カラスも生きていますからねぇ」と言った言葉を聞いて、なるほどなあ、やさしいなあと思うことしきりです。

 ハシブトカラスたちは、Jungle Crowと英語表記されます。この英語表記に示されたように、ハシブトガラスたちはもともと樹林地の鳥だったといえます。町に進出し、その町が、樹林地の役割を示したといわれてもいます。例えば、電信柱や高層建築群など。上から見下ろして採餌するものを探すのが習性ですから、都市は、彼ら彼女らにとって住みやすい空間なのでしょう。都市の空間を生き物の生息空間と見てみると、様々なものが見えてきますし、思った以上に接合していると思わざるを得ません。
 ハシブトガラスは、賢いともいえます。私たちの生活や行動のパターンを良く見ているようです。そういったことは、また次に書きたいと思います。

ハシブトガラス