2011/06/14

マガモ

 夕暮れの賀茂川を見てみるとカモ類が多くいることに気が付きます。写真は、マガモ(Anas platyrhynchos)です。賀茂川では、留鳥で、日本国内でも普通に見られます。中洲の間から急に出てきたり、川面に流れていたり、見ていて飽きのこない鳥類です。都市の中で、こういった生き物が生息できる環境を持っているのは、賀茂川の良い点でしょう。

 河川敷では、人が多く行き交います。それは朝でも夕方でも同じです。楽器の練習をしている人や運動をする人、散歩や休息でベンチに腰かけている人など、多くの人が河川敷を使っています。そういった環境で騒がしくとも、このカモたちは悠然と泳いでいます。あまり人の圧力を受けていないのかもしれません。もしくは、人の圧力を感じられないのかもしれません。

 都市に生息域を持つ生き物は、色々なパターンがあります。もともとそこに生息していた生き物、一度その場所を追いやられたが、再度戻ってきた生き物、その場所周辺では生息が出来なくなって戻ってきた生き物など、様々な移動が考えられます。生き物にとって、都市は生息しやすい環境なのでしょうか。
 調査を進めていく中で、もしかすると生息しやすい環境になりつつあるのではと思うことが多くあります。特に鳥類は、『順応性』の高いようですし、その他の生き物についても順応性が高いような気がします。
 かつて言われていた都市の生態系は、単純であるとのことは、今の時代決してないと思うのです。思ったより複雑な生態系を構成しています。それだけ生き物の種類が多く入り込んでいることになるのです。


賀茂川のマガモ