2011/06/13

高麗美術館

 京都の堀川北山を上った所、紫竹上岸町に高麗美術館があります。静かな住宅街の中にある美術館です。ちょうど「朝鮮のかわいいいれものたち」の企画展示を開催されていました。それぞれ用途に応じた「いれもの」が展示されています。この「いれもの」の企画展示の内容は、分かり易く説明されており、どう使われていたのかも垣間見えてきます。

 特に、「いれもの」そのもののデザインの質実さは、日本の町家に置いても合うような意匠が多く、民芸のようなものも見られ、美しいと思えるものが多くあります。また、水鳥や鹿、虎など生き物を素材にしたものや様々な植物など魅力的な意匠を施した「いれもの」が、たくさん展示されています。使われている生き物のモチーフは多種多彩で、見ていて飽きないデザインが多く、その簡素化した意匠は、事象物をより身近にしているものと思えます。また、それらの多くは、思わず微笑んでしまうようなデザインに仕上がっているのが特徴です。この展示されている「いれもの」は、朝鮮半島での生活の中で日々使用する物への人々の目線の在り方、視点の方向が見えるような気がします。

 この展示作品は、学ぶべきものがたくさんあります。工芸デザインや室内、住居系のデザインを学ぶ学生の皆さんには、ぜひ見てもらいたい作品展示です。

「朝鮮のかわいいいれものたち展」の展示期間は、2011710日までです。

高麗美術館敷地内