2021/12/31

大徳寺境内と降雪

 今日は,京都にも雪が降りました。家の近所の大徳寺境内にも雪が舞っています。京都の四季は,どの季節も顔がはっきりしています。特に,京の冬の寒さと雪の降る寺院境内の景色は,白黒映画のような雰囲気を持っています。

 景観は「見るもの」ですが,実は「体感するもの」でもあります。写真で見る景観もいいのですが,本来だと現場で見ることも良いと思います。

 写真は,その空間と時間を切り取ります。それも興味深いですし,撮影者の被写体への見方や構図が色濃く出てきますので,写真を撮った人の好い景観,良い風景にあたると言えます。それに写真は,配信や持ち運びができるので多くの人にも共有できます。それが写真の良い所ですし,色々と活用できるものです。例えば,旅情をかき立てる鉄道会社のポスターで使用したり,景観評価のアンケートなどにも使用ができますね。

 では,景観を体感する事とはなんでしょうか。それは,五感を加えた景観の事です。冬の寒さの中での頬にあたる温度感や体にあたる風の具合,季節咲く花,例えば,冬に咲く蠟梅の花や香り,お茶事の時のお茶の味など・・・五感に寄り添う事も多いといえます。景観は,五感と合わさることで印象深くなる事もありますし,写真も切り取ったものですが良い点があると言えます。

 さて,この写真は雪の降っている時のものですので,多分ですが寒さは伝わると思います。ですが,実際そんなに寒くない日の撮影だったのです。写真で見る景観と現場での景観のギャップ。印象の違いは面白く感じるものですね。景観の研究の難しい所でもあり,おもしろい所でもあると言えるのではないでしょうか。

雪が降っています


2021/12/29

ノスリから農環境を考えてみる

 南丹町の農空間でノスリ(Buteo japonicus Temminck & Schlegel, 1844)を見かけました。農空間によく見る猛禽類です。京都府では純絶滅危惧種として指定を受けています。京都に赴任した頃,キャンパスに隣接している賀茂川でよく見かけましたが,最近はそういえばあまり見かけていません。ずんぐりとした体形ですが,小型哺乳類を捕食したりするので敏捷です。南丹の圃場では,採餌できる小型哺乳類もいるという事にもなりますね。

 近郊農村の環境は,私が農学の実学を学んでいた学部生の時や,院生で農村空間での調査を始めた頃に比べて大きく変化しています。20年前の事ですから,それはそれは,だいぶ変わってきています。二次的自然と言われる農環境は,生き物にとり,その環境に依存している種にとっては死活問題で,実際減少している種も多くいます。その点が大きくクローズアップされますので,多くの方々の目には,多様性が減少している,種が減っていると思うと思います。例えばメダカなどが挙げられますね。身近だったはずと思い込んでいたと思うのですが,実は徐々に生息環境が無くなってきていたのです。生息環境を戻せば元に戻るでしょうが,人の問題や経済の問題もありそう簡単には戻れないかもしれません。生き物が減ってしまうと云った一面が多くある反面,生息環境を広げている種もいたりして,生き物はしたたかに環境に順応したりしています。一概に数字で出すことが出来れば楽ですが,どうもそういったことは,生き物に充てはめること自体,難しいようです。

 このノスリは,猛禽類で「高次捕食者」です。いわゆる食物ピラミッドの上位種にあたります。ですので,その下位部にあたる採餌するための生き物の環境が担保されなければ,この子たちは生きていけません。鳥種を見ることで,その環境も少しは推し量ることができます。したがって,この南丹の農環境は,彼ら彼女らにとって良い環境だと言えることが推察されます。こういった農環境が続くことで多くの生き物の生息が維持されると考えると,何がよい環境で,悪い環境は何なのか,考えるきっかけを作ってくれます。


ノスリの見る先は・・・


2021/12/22

大阪のハッカチョウ

 綺麗な声で鳴いているなと見渡すとハッカチョウ(Acridotheres cristatellus (Linnaeus, 1766))がいました。モズの鳴きまねの様に鳴き真似をする鳥でもあるのですが,綺麗で澄んだ声で,厦門に住んでいた時をふっと思い出しました。竹で造られた鳥籠の中にハッカチョウ(八哥)やソウシチョウ(嘴相思)を飼っている人がいて,公園で鳴き合わせをしていたりしていた光景を思い出したのです。そういった光景は今の日本では,ほぼ見られない光景かと思いますが,中国ではまだそういった光景を見ることができます。鳥の飼養文化なのでしょうね。

 さて,日本でのハッカチョウは,江戸時代に大陸から持ち込まれた飼養鳥類ですが,篭脱けなどによって,とうとう今では侵入生物,いわゆる「外来種」としての方が有名です。彼ら彼女らにとっては,気が付いたら大阪で生きていた・・・という事なのでしょうが,生態系的にも見ても難しい問題と言わざるを得ません。生き物にとっては「生きる」ことが主に大切であるといえるでしょうが,その存在が他の生物にとっての脅威もあること,生息環境の競合,競争も考えると,益々複雑になっていきます。結局は生態系の事を考えて,外来種となる生き物は,生息していない方がよいという事ですが,それでも複雑な気持ちになってしまいます。

 台風等で迷鳥として皆に日本に自然渡来で来たこともあるハッカチョウたちの事も考えてみると,更に複雑になってきます。もしその子たちが定着して北上したらどうなのだろうかとか・・・。生き物の生息環境の拡大は,多々あると思います。今いる環境が悪くなれば,それよりもいい環境を目指しますし,もしくは更に拡大化して大きく生息できる範囲を確保することも,本能として必要な部分でしょう。

 さて,どうすべきなのか恐らく明確な答えは出せるのだろうかと思うところですが,哲学的な思考が入ってきてしまいます。生き物の視点,人間の視点。難しいですね。まだまだ私も明確に言えそうにありません。


澄んだ声で鳴きます


2021/12/18

晩秋の万博

 今も大阪万博公園での鳥調査を継続しています。早朝,来園者がまだ入園されない時間帯では,鳥たちも多くが動き回る時間帯でもあり,観察がしやすい時間とも言えます。写真は,万博の日差しが入り込む里山エリアの早朝の光景です。

 コナラやクヌギなどが,だいぶと落葉したところに,落ち葉の上の朝露の水滴が太陽の光に反射して,見た目には,とても暖かく感じるものです。あくまでも見た目で,実はあまりにも寒い朝でした。ちょうど寒気が来た日で,京都では雪が積もっている日でした。万博公園では雪はなく,寒いとはいえ鳥たちは活発に動き回っていました。鳥類にとっては,朝の採餌に忙しく,じっとしていると多くの鳥たちが観察できます。特にこの里山の空間は,鳥たちにとって,重要な場なので逢うのは間違いないようです。

朝の日差しです


2021/12/15

大江橋水上景

 大阪淀屋橋の大江橋高架を進む作業運搬船です。水面との間が大変狭い状況で,潮の干満次第で通過できる時間帯が決められてしまうようです。作業船や運搬船にとって,自然の中での干満の差が大きく作業の効率を左右されるという事は,日々の潮位を見なくてはならないにほかなりません。私は,釣りをするときに潮見表を見て,その日の時間帯を確認しますが,大阪の真ん中でも同じことがあるのだなとなんだか不思議に思えました。

 景観として見てみると,橋と船の景は,「水都大阪」にとても調和したものに思えます。そしてあの上下の幅が狭い中を疾走していく光景はとても躍動感のある生活景かもしれません。日々普通の光景かもしれませんが,こういった景観はこの大阪の街中であるからこそみられる景でもあり,そういった景を見るだけでも活があるのではないかと感じています。大阪の街中で動くこういった景観は,とても興味深く感じる「水景」です。

隙間を通ります


2021/12/05

構内の紅葉

 タイワンフウ(Liquidambar formosana Hance)が今年も色づきました。下鴨キャンパスには成長したフウが何本か見られますが,写真の4号館と5号館の間に植栽されているフウの色づきは毎年の楽しみです。4号館にいた時は,それを眺めるのも楽しみだったのですが,いよいよ4号館の解体作業が始まりましたので,このアングルや構成で見る風景は今年でおしまいです。ちょうど公舎によってフウの紅葉とクスノキの常緑の緑が挟まって良い感じでしたが,解体後の空間の違いも楽しめればと思うところです。

 建物を無くし,新たな空間を作る際に,できるだけ既存の樹木を残して計画した方がその土地の空間の歴史を継承してくれます。地表の記憶の継承,地霊(genius loci)の事も考えると,空間をいじる場合の残すべきものは大切にしたいところです。最近のあまりよくないと思える事例では,由来の表札もつけていた地域のランドマーク的であったクロマツを行政が知らない間に切ってしまい,残念な空間になった元小学校も見られます。この小学校の卒業生の方の事をあまり考えていなかったのかもしれません。これから大きく変わるこの下鴨キャンパスは大学の空間として,良い空間になるだろうと期待しているところです。

今年も色づきました


2021/12/01

植物園温室

 京都府立植物園では12月の上旬までモミジのライトアップとして,夜間の入園ができます。併せて,温室も入館できるのですが,昼間見る温室と夜間見る温室は全く異なった表情を見せてくれます。ここの温室内には,興味深い植物がたくさん植えられています。カカオやバナナなどの産業植物は定番かもしれませんが,バオバブやアアソウカイ,そして何よりもキソウテンガイといった植物は,不思議な植物たちです。そういった植物たちを間近で見られるのは,凄いなと思うところです。大学隣接する京都府立植物園は,府大生や教職員も自由に入れる施設なので,とても良い生きた教材の宝庫です。ランドスケープを志す学生にとっても植物の名前を覚えるのにこれほどいい施設はないと思います。

 さて,写真の温室は建築としてみると,やはり面白い構造物です。湿度や気温などを調節する必要もありますので,開閉構造を作り上げています。宇宙船のような感じを受けたり,バイオームのような施設を受けていたり,見る人にとって色々な感想がある建築と言えるのではないでしょうか。

 ちょうど南の空に明るく見える木星も輝き,建築物が宇宙船の様に見えてしまいます。

宇宙船みたいです


2021/11/28

水際の緑と高速道路

 阪神高速高架下の水上から見ると幻想的な光景に出会えました。太陽の光が深緑の色に変わり,樹木の緑を鮮やかに見せてくれている光景です。無機物による人工物と樹木の有機物による構成は,都市美として興味深く感じます。こういった組み合わせは都市では当たり前ですが,そこに光などが重なるとまた違う光景が広がってきます。

 写真では護岸部分に木が多くあり緑が多く見えています。残念ながら,この水面部に水鳥たちはほぼ飛来してきません。それは高速道路と両岸側に建築物があることで,囲われた空間になっているためです。水はきれいであっても飛来しにくい環境をここの空間は作り上げています。生き物の多様性といった点で見ると,ここの環境は生物多様性が低いと言わざるを得ません。しかし,街中では,緑地空間も存在し,都市河川の存在もあることを考えると,そういった個所では鳥も飛来し,生物多様性が高くなっているのも確かです。どこもかしこも「生物多様性が高いと良い」とは,私は思っていません。もちろん高い方がいいとは思いますが,少なくとも必要な場所で,適材適所に生物多様性が高まることが必要と思います。都市には生き物だけではなく,様々な要素が重なり合って都市を作り上げています。それが都市の魅力を作り上げています。写真のような空間もしかりです。

 そういった視点で改めて見てみると,都市には魅力的な空間がたくさん見えてきますし,一瞬一瞬に美しさも見えてきそうです。

水の緑

2021/11/22

イサムノグチの彫刻

 札幌市の大通公園には,イサムノグチの「black slide mantra(ブラック・スライド・マントラ」」が置かれています。私は,札幌に来ると必ず見ています。見るたびに,滑り台のような石の部分がすれて行っている気がして,時間の経過を感じられるようです。体感する芸術作品ですね。こういった作品の設置は,公共芸術(public art)として高く評価されるものだと思いますし,この作品は札幌市の宝物です。設置されていること,設置を決めてしっかり根付いていることに,正直羨ましく思います。そして,この作品は札幌にあるからこそ価値があるのだとも言えます。

 ランドスケープの設計の中で,こういった作品をどう置くのか,またどう活用していくのか,デザイン,構成も考えての活用が必要です。この作品はそれを上手く設置できているものだなと感心してしまいますので,つい札幌へ行くと見に行ってしまうのかもしれません。ある意味,私にとってのこの公園へ向かうための誘因力になっている力強い作品です。

 芸術作品の公共空間へ置くことについては,色々な研究もあります。カトリーヌ・グルー(Catherine Grout)著による「都市空間の芸術(ISBN4-306-07210-X)」を今は無き地元神戸の海文堂書店で2004年の時に注文して買って,初めて読んで,だいぶ公共芸術への認識が変わりました。やみくもにあるのは望ましくありませんが,やはり公園のアクセント,象徴として,またその都市の文化の醸成として必要な場合も多いと感じています。そういった点を踏まえて,意識する,しないにかかわらず,見ていくことは必要だなと感じます。


滑れます
階段です


2021/11/15

余市の雪吊

 余市にあるニッカウヰスキー工場敷地内の緑化は,大変丁寧に管理されています。工場はもちろん良いのですが,敷地内の植栽に大変興味を持ちました。

 北海道の冬は,もうすぐそこまで迫っているこの時期。雪がいつ降っても大丈夫なように敷地の樹木に雪吊や雪囲いなど植物たちの冬支度が行われていました。冬支度には,雪囲い,雪吊に加えて菰巻きなどもありますが,雪対策の管理でその植物は,雪の重みなどによる被害を低減できますし,冬の景としても映えるものでもあります。管理は大変でしょうが,冬の景観を楽しめることを考えると,雪が降った際の見学もしてみたいなと強く感じます。


冬支度


2021/11/14

トクサの群生

 トクサ(Equisetum hyemale L. var. ramosum Honda)は,京都にある私の家の庭にも植えていますが,自生しているトクサをしっかり意識して見たのは初めてです。地下根で広がる植物ですので,土壌や気象条件が合えばどんどんと増えるのでしょう。このトクサの写真は,札幌市の野幌森林公園の谷部斜面での一コマです。トクサの群生について自身が余り注視していなかったのですが,これだけ自生するのかと感心しましたし,こういった斜面に広がるのかと勉強になりました。

 トクサは秋の季語という事ですので,ちょうどこの晩秋と合っていたのでしょう。

トクサの群生です


2021/11/11

大徳寺境内の赤松

 いつ見ても,京の大徳寺内の植栽はきれいにお手入れがされています。そして,いつ行ってもすがすがしい感じを受けます。自身のお寺でもあるし,家の近所なので散歩でも頻繁に訪れるのですが,行くたびに思うのは,「いつもきれいに剪定されている」というのを感じるのです。丁寧な剪定のお仕事を見て,「これは学生に見せた方がよいな」と写真を撮り,講義に使ったりしています。

 お寺や神社に限らず,個人も含めて,その所有されている場やお庭などをみると,その関わりのある方の気の掛け方,思いが見え隠れしてきます。少しの関わりなのでしょうが,京都ではそういった少しの気遣いや見せ方が見えてきますので,その点はいつも勉強になるところです。


アカマツの透かし剪定


2021/11/05

動物園のランドスケープ見学

 府立大学の創立記念日であるこの日は,全学休講ではあったのですが,コロナ禍で延期になっていた環境デザイン学科の1年生の研修が,この日に行われました。私の担当は,岡崎周辺の景観を含めた京都市動物園におけるランドスケープ。京都市動物園にて1年生の研修をさせていただき,そのサポートをゼミ生が手伝ってくれました。この京都市動物園は,周辺の景観をうまく活用されています。東山の借景をうまく取り込み,狭い敷地ではあるのですが,広がりのある空間に作り上げています。見通し線をうまく樹木で構成していたりと,学ぶことが多い施設です。

 1年生の研修後には,ゼミ生と「京都の森」ゾーンで見学とレクチャーです。このゾーンは,造園・ランドスケープらしい空間で仕立てられています。京都市動物園には,良いゾーンがいくつもあるのですが,その中の一つです。個人的にも私はこのゾーンが好きで,来園したときには良くここを見学します。造園的技法がいくつも垣間見られ,ゼミ生にとっても勉強になったのではないかと思うところです。

京都の森


2021/11/01

堀川通の街路樹景観

 この時期の堀川通はイチョウが中心ですが大変美しく色づいていきます。晩秋に入るころには黄色の景観が見事です。特に中央分離帯に植えられているイチョウは剪定を緩やかにしているので,樹形が美しい木が何本かあります。基本,街路樹は遠征住民の方々の生活や街路を使用する方々,車を乗っている方々に向けても,「剪定」は必要です。落ち葉の量が多いことによる家屋へのプレッシャーや人が雨露と落ち葉で滑ったりすることもあります。また,車の信号機を隠してしまう街路樹も有ったりするので,管理は必要です。落枝もありますね。自然災害による倒木の倒壊を防ぎ必要もあります。

 問題点は色々と出つつもそれを超えられるような利点も多いのです。季節感の創出と緑による心理的緩和,周辺の大気の環境改善,生物多様性への寄与。それだけではなくたくさんあります。

 米国では i-Tree によって数値化され,街路樹の重要性も出していす。我が国ではどうでしょうか。最近では東京・千代田区では,数値化を出している例もありますし,京都でも数値化をした研究事例もあります。私も堀川通の数値化を進めていますが,公表には,まだもう少し先になりそうです。研究者としてスピード感も必要ですが,私の研究は遅々として進まず,少々情けない所です。

堀川寺之内です


2021/10/28

街路樹アンケート

 学部生の街路樹のアンケートのお願いのため,沿線の住民の方へのポスト投函を研究室のスタッフ全員で自転車や徒歩で行ってきました。

 街路樹は樹木ですので根や葉といった成長に関わる生理的な研究もありますが,今回は「景観」としての伺いが中心です。京都を南北に通る堀川通に焦点を当てました。堀川通の街路樹は,美しい景観を構成している箇所も多く,こういった街路樹での美しさとは何だろうか,剪定によって変わるのだろうか・・。といったことを景観的な視点によって探り出そうとしています。そもそも景観は見て感じるものですが,答えがありそうで無いのも景観研究の悩ましいところであり,楽しいところです。さて,堀川通の街路樹を日々見られている沿線の方々にとって,この街路樹はどういった存在,もしくはどう映っているのでしょうか。実は,そこに街路樹の存在意義が大きく見えてくるかもしれません。

調査アンケートを配っています


2021/10/25

北大路通のトウカエデ

  北大路通にはトウカエデの街路樹が並んでいます。今年はこの北大路が2年に1度の剪定の時期なので,間もなく葉と枝が切られますが,その合間になりそうな,この街路景観は,とても綺麗です。特に,大徳寺南側の北大路通の視点はおすすめの街路樹景観の一つです。

壁と石垣と街路樹の景観


2021/10/20

船岡山の夕方の景観

 船岡山には有名な建勲(たけいさお)神社があります。近所ですので,散歩するのですが,この船岡山と建勲神社は,私が赴任して間もないころに学生の神社林と鳥との調査で,大変お世話にもなったので,私にとっては縁のある神社と公園です。特に神社林の辺りには,夕方に光が差し込むととても美しいのです。天候に左右されるのですが,少しの時間帯での夕暮れの景観は,一瞬の間の華やかさを演出してくれています。

夕方です


2021/10/12

金山彦神社境内の景観

 文化財の整備委員会で猪名川町銀山に来ています。史跡の整備の中で,この金山彦神社も含まれるのですが,先達が長らく守ってきた境内が夕日にあたると大変美しく,石の鳥居と共に石垣と共に厳かな雰囲気を保ってくれます。次の世代へ繋げたい文化の景観です。

境内は静かです


2021/09/27

秋の賀茂川

 賀茂川の秋で,法面には草が生えています。この時期の賀茂川はまだ夏の雰囲気の残りが少しだけありますが,空は遠くまで晴れ渡り,すがすがしいです。大学の横にあるので,いつも見られるのですが,実はそれは大変贅沢なのだなと,つくづく感じます。京都の街中そのものが贅沢な空間なのではないかと,良く思います。都市部に学生にとっても学ぶ場の近くにこういった環境があるのは贅沢ですね。

秋の草


2021/09/01

欄干のハト

 加西市にあるお寺のハトです。ここの寺院は,本堂建築が余りにも立派ですので,再度見に行こうと見学に行った時の写真です。欄干にハトが乗っていました。何とも良い表情をしています。ほのぼのした表情です。

ほのぼのハト


2021/08/19

4号館とイソヒヨドリ

 4号館の引っ越し直前に,イソヒヨドリがベランダに来ました。キャンパスを縄張りにしている子です。良い声でキャンパス中に響く声で鳴いています。

イソヒヨドリ



2021/08/18

4号館

 この大学に赴任してからずっと4号館にいましたが,とうとう今年度中に建物解体ということになり,引っ越しです。明日には,2号館へ移る晩,まだ作業している光景です。夜,室内の電灯が灯ると,4号館の建物は,こんなに綺麗だったのかと11年間,気づきませんでした。昭和中期の建築物ですが,何だか懐かしい建物でした。

最後の光景


2021/08/02

万博公園のハシブトガラス

 このところ,万博公園で来園者が入れないところでは,ハシブトガラス(Corvus macrorhynchos Wagler, 1827)たちが,結構のんびりとしています。調査をしているときには,よく目があってしまいます。何とも不思議な感じです。

こっちを向いています


2021/07/20

大徳寺界隈のツバメ

 近所の食料店の庇の所にツバメ(Hirundo rustica Linnaeus, 1758)が子育てをしています。毎年,営巣しているので楽しみなところです。ここは,遅い時間帯でも電灯がついており,人も出入りが多い所ですが,ツバメたちには快適な空間になっているのかもしれません。通るたびに,つい見てしまうツバメたちです。

快適なのでしょうね


2021/07/01

雙ヶ岡の眺望

 仁和寺の山の方を上がっていくと御室八十八か所の霊場があり,四国八十八か所と同じような霊場になります。江戸後期の文政時代に開かれた場といわれており,滑稽本でもある山東京鶴執筆,菱川師保画の「御室八十八ヶ所四国栗毛」にもモチーフとして出ています。そこの調査をしてみたいというゼミ生の話に,面白そうだと思いました。この時代,コロナ禍の閉塞感のあり,こういった調査は楽しいことへつながるのではないかと期待が膨らみます。回ると,頂上部付近からは京都市内を眺められる光景に出ます。ちょうど見下ろすと,昨年ゼミ生が調査した名勝の「雙ヶ岡」が一望できます。この名勝を眺められるこの視点場も,名勝かもしれません。

京都市内を一望できます


2021/06/01

万博公園のコチドリ

 万博公園の一角でコチドリ(Charadrius dubius Scopoli, 1786)を見かけました。万博公園での水辺のある空間での観察です。なかなかかわいい鳥です。

コチドリです


2021/05/17

研究室訪問のヤマガラ

 今年もヤマガラの雛が生まれて,そこかしこに飛んできています。ヤマガラはもともと人懐っこい性格で,人に対して,あまり恐れないように感じます。写真のヤマガラの子もそのようです。仕事途中,何となく気配を感じて横を見ると研究室の鉢物の所にヤマガラがいました。部屋の扉と窓は開けっぱなしではありましたが,さすがに警戒心が薄すぎるのではと感じます。

この時期になると毎年,4号館の研究室に入ってくるヤマガラ。それも今年限りです。晩秋には,4号館がいよいよ解体され,私たちの研究室も旧文学部棟の2号館へ晩夏に引っ越しです。来年はこの風景も見られなくなり,とても残念です。

今年で最後の風景かも


2021/05/07

青鷺と賀茂川

 人に慣れているアオサギ(Ardea cinerea Linnaeus, 1758)が最近多い気がします。慣れているというよりも,安心しきっている,人は危害を加えないと思っている感じを受けます。とはいってもある程度の距離を彼らは取っています。近づける範囲も決まっているようです。手が届かない,危害を加えられない範囲でいます。程よい人との距離を保つ。なんだか不思議な感じです。

青鷺です 何か眺めてます


2021/03/05

青鵐と椿

 府立植物園では,今の時期,アオジ(Emberiza spodocephala Pallas, 1776)を沢山見かけます。低木や藪の中によくいますが,小路にも出てきて中々愛嬌が有ります。椿の花が落ちている小路の中を歩いている光景です。

小路に居ます


2021/02/05

光の春

 2月に入り光が明るくなっています。節分を超えると益々明るくなる光景は,寒い中でも春を感じさせてくれます。この時期のこの明るい日差しを見ると,気持ちも春に近づいている感じを毎年受けます。林逋の「梅花」の一節,「雪后园林才半」にあるように,雪が降った後の庭園の(梅)林のわずかに半分見える(梅)樹といった表現ではないですが,「冬天后园林才半的春天」といった感じかと思いますが,この時期の光の明るさはやはり春近しと思わせてくれます。

梅花/林逋(宋)

怀长为见梅花

雪后园林才半,水边篱落忽横枝。

人怜红艳俗,天与清香似有私。

堪笑胡味,解将声角中吹。


2021/02/04

植物園のベニマシコ

 京都府立植物園にベニマシコ(Uragus sibiricus Pallas, 1773)が飛来しています。地域によってはレッドリストに載っているようです。漢字では,「紅猿子」と日本では書きますが,中国語では「长尾雀」となっています。国によって鳥を見る視点が違うのが面白い所です。日本では顔の赤いのが猩々の子と感じ,中国では尾羽が長い方に視点が行っているといった違い。面白い点だと感じました。

かわいらしい鳥です


 

2021/02/03

軽鴨並ぶ

 カルガモ(Anas zonorhyncha Swinhoe, 1866)が羽繕いしながら並んでいます。明るい日差しの下で並んでいます。この時期に見るカルガモは見た目だけだといえますが,穏やかです。

カルガモ並んでいます


2021/01/02

年の初め

  船岡山からの眺望です。京都タワーを始め,東山,西山などが見られます。新年になっての京都の夕方の灯りです。

船岡山からの眺望