2011/06/15

野田川のサウンドスケープ

 与謝野町の野田川へ行きました。京都駅から出発し、昼ごろに北近畿タンゴ鉄道の野田川駅に到着しました。ホームにある待合室は、懐かしい感じのする建造物です。駅の周囲ものどやかな空間が広がっています。

 駅の周囲は、田植えをしたばかりの水田が見られました。そしてその水田の向こう側には、山々が連なり、里山が見られます。空を見上げると、山の向こう側から小さな入道雲が少し沸き立ち、梅雨の晴れ間の、もう初夏が来ている雰囲気を出しているようです。

 水田には、植えられたばかりの苗が、初夏の風になびいています。この水田の風景のなかで、多くの鳥の声が鳴り響いています。その中で一番聞こえる声が、オオヨシキリです。騒がしいぐらいに賑やかに鳴いています。そして、ヒバリの声。ヒバリの賑やかな声は、よく通り、そこいら中に広がっています。山のほうからは、キジやコジュケイ、シジュウカラやヤマガラ、イカルの声も聞こえ、鳥たちの賑やかなサウンドスケープが、作り出されています。この地区の小さな楽団があるのような感じです。音の演出と空の青さが相まって、とても豊かな地区の空間を作り出していると感じました。

 これだけ賑やかな、初夏に近づく田植え期の空間のサウンドスケープは、久しぶりに聞く複雑で調和した音源だ思いました。この地区に住んでいる人にとって当たり前かもしれませんが、これだけのサウンドスケープのあることは、とても心を豊かにするものではないでしょうか。都市の中には、これほどの豊かなサウンドスケープは、最近聞くことがありません。

野田川の駅の待合室と山々