2011/06/27

ハシブトガラスの遊び

 京都市街地内での鳥類調査をゼミ生が進めています。調査指導で同行していつも目に付く鳥類は、都市型鳥類と呼ばれる鳥たちです。その中で、必ず調査確認できるのが、写真のハシブトガラスです。前回にカラスについて少し書きました。今回は、彼らの朝の行動を少し考えてみます。

 ハシブトガラスには、塒(ねぐら)があります。その塒から、大体朝の明るくなる前より移動をしているようです。朝ごはんを目指して、三々五々に飛び立っていきますし、またはまとまって移動していくようです。餌場となるのは、都市であれば、ゴミが出されてある場所です。ご馳走を見つけると早速食べ初めます。カラスにとっては、普通の行動です。そのために、ゴミ捨て場でのビニールを破き、饗宴後のホールのような状態に散らかしているわけです。

 食事が済むと休息や遊んだりしています。以外かもしれませんが、カラスはどうも遊びのではと思える行動をしているように思えます。例えば、止まるための避雷針の先端部の取り合い、小さなボールでのくちばしを使ったキャッチボール、光物の取り合いもあります。こういった行動の中でも、今まで取り合っていたような執着している物についても飽きると捨ててしまう行動や長い時間遠くを見つめて、どうものんびりやすんでいる(敵が周りに居ない場合です)状態。長く見つめているのは何かカラスにとって興味を引く何かがあるのだと思います。こういったことは人と同じだなと感じることがあります。

 カラスには、興味深い様々な行動が見られます。それらを見ていくと、思っていた以上に面白い鳥だと感じてくれるかもしれません。私の講義でもカラスの話をしますが、毎年、新しい知見が出てくるので、新たな話が進められます。面白い鳥類の一種です。



遠くを見ているハシブトガラスたち