2011/07/31

北京の街・獅子と想像力

 北京の街の中にある獅子は、表情が豊かなものが数多くあります。どのような獅子かというと、大きいもの、小さいもの、また、顔は恐ろしげなものから、優しいものまで、作り手の人のノミ加減で、大きく変わっているようです。獅子の表情は、作者の気持ちがそのまま制作中に表れる物ともいえるのではないでしょうか。

 作者は、依頼者より制作の依頼を受け、具象作品を制作していったのでしょうか。その作者は、どういった気持ちで制作をしていくのでしょうか。ただ無心で作るとしても、その作者の育った環境、周りの環境、食べて来たもの、祈ってきたもの、年齢や性別など…、色々な要素がその作品に現れているのだろうと思います。その色々な物の中で、何が最も影響を受けさせるのでしょう。毎日食べる食べ物かもしれませんし、毎日お祈りする色々な宗教の神様かもしれません。毎日何気なく見ているものかもしれません。気候や国も関係があるでしょうね。

 そう考えていくと、この獅子の表情を制作した人は、どんな人だったのか・・・。見ているだけで、想像力が広がっていきます。これは、コンサートのホールで、色々な楽器をたくさん奏でると、音が織りなしていくような感じで、想像力も広がっていくような気がしていきます。

 そのような無駄のように思える想像をする力が、子供の頃より、社会人としての忙しさからかもしれませんが、若干少なくなったような気もします。たくさんの興味を持っていくこと、考える時間を持つことも大切なことだと、雍和宮の獅子を見て思いました。

どっしりとした獅子
木陰の獅子