2011/07/10

北京の街・四合院の中庭

 四合院は中庭を挟んで四つの房(室)があります。中心的な存在が中庭です。ここでは、各房に住む人が休み、話し、くつろげる場所です。中庭の存在は、四合院でもとても重要な空間を示しています。京都の町家とは異色の環境です。ただ、この中庭は、私にとっても心地よい空間のような気がしてなりません。

 ゆっくるできる空間、上を見上げると空が見える空間、風通しも良く、人と話すのに最適な空間でもあり、静かに考え事をするにも良い空間と云えそうです。こういったゆるりとできる空間が今の北京では減っているのではないだろうかと思わざるを得ません。このような豊かな空間は北京市の四合院としても財産の一つといえるのではないでしょうか。

 ぜひ、こういった緩やかに時間の流れる空間を維持してほしいものだとつくづく思います。日本に置き換えるとどういった空間がそれに当たるのでしょうか。残念ながら、日本の空間で生活の中の四合院の中庭のような環境は殆ど見当たりません…。あったら楽しいでしょうね。

中庭