ノスタルジックな空間を維持することが大切ではなく、その生活している空間を何とか残すことができれば、良いなと思います。とはいえ、空間を切り取ることは、可能です。単に、建築や道をそっくり箱ものとして移転すればよいのですから。でもそれでよいわけではありません。そこに人が生活をしていて、人の生活が時間の醸成させていることが、実は、空間にとって、とても大切なことだと考えています。したがって、単に移転するのであれば、風景や景観にとって意味はないのです。
写真は、緑化による緑のカーテンです。思い切った空間の活用です。胡同の小さな通りだからこそこういったことができるのでしょう。北京の夏の暑さもこのような緑の空間があることで、少し和らいでいくのではと思います。日本の路地空間での緑の使い方と同じです。人が考えることは、国が違っても、やはり同じなのでしょうね。
胡同の路地 |