2011/07/24

圓教寺での廃庭の調査

 書写山圓教寺は、西の叡山とも言われ、歴史も古く、兵庫県の中でも重厚な建築群や豊かな自然環境も多く残っている寺院です。今年度から大手前大学史学研究所の調査で、私のところの院1回生のゼミ生と共に、周辺の植生調査に加えて、古い庭の調査もはじめました。圓教寺には多くの坊がありますが、その多くは廃坊や移転により、今まであった建築や庭の場所が放棄、廃棄されています。建築や庭石に関しては、新たな坊の資材としてもっていかれており、かつてあった空間は、平地としてしか確認できていません。

 そういった中で、幾つかの礎石や庭石が残っていることから、その当時の痕跡が残っており、かつてそこに坊があったことが忍ばれます。今回の調査では、植生調査もあるのですが、そこに残っている庭の痕跡から、復元できないだろうかといった視点で進めようとしているものです。

 圓教寺周辺は、文化財でもあり、発掘せずに何処まで復元できるのか、今年度に始まったばかりです。石の配置から何処まで廃庭の推定ができるのか、何度か試行錯誤を繰り返しながら図面を引いて、イメージスケッチを描いていこうと考えています。
 
現場まで山道を歩きます
石の大きさと位置を測り記録します