2011/08/09

神戸旧居留地のソテツ

 神戸旧居留地にあるホテルの入り口にソテツ(Cycas revoluta)を使った植え込みがあります。入口に大きなソテツの鉢を置いているのです。観葉植物として使用されるソテツですが、ソテツ類の中で唯一の日本自生種です。神戸の小学校に通っていた際、学校の植え込みにも使われていましたし、友達の家にも植えてありました。親しみのある植物のソテツですが、実はCITESのワシントン条約の付属書Ⅱ類に載っている種でもあるのです。今回、調べてみて初めて知りました。

 私たちにとっては、見ることの多いこのソテツは、大きくなるととても重量感と存在感のある植物です。ホテルの、それも神戸旧居留地内といった歴史的な場所での、この植物の使い方としては、とてもデザイン性が高く、設置の仕方がきれいだと思いました。ただ、少し植物自体が窮屈な感じを受けることから、若干大きめの鉢だったらとは思われます。デザイン性を重視した見せ方は、とても大切です。しかし、植物の寿命の事も考えてあげれば、もう少し大きめで若干のゆとりが必要な気はします。植物は生き物です。ですので植物との対話は大切です。

 とはいえ、見せ方としては、ホテルの入り口として、とても上手な使い方だと思いました。ホテルへ訪れる人たちにとっても、印象深いものになるのではないでしょうか。旅行やビジネスで神戸へ訪れ、泊まりに来る人にとって、このようなホテルの入口の印象は、これから宿泊する心持、期待が良い方向へ大きく変わっていくと思います。ワクワク感のような感じです。そういった際の植栽デザインの美しさは、ホテルに花を添える役割をしていることでしょう。

ソテツの鉢への植え込み