2011/08/07

夜の空の色

 職場の近くに北大路大橋という鴨川にかかる大橋があります。写真を撮影したのは、夕方から日が暮れていき、もうすぐ夜になりつつある時間で、車のヘッドライトの光と街灯の明かり、大橋の欄干の灯りがとても夕闇にはえています。

 私たちが夜に歩く場合、光や灯りが照っていることで、その周りを見ることができます。そして、光が照っている空間の私たちの歩く場所から、その上の空の部分には、群青色の暗い闇が迫っています。その群青色の中で、三日月が少しの灯りを照らしています。空を見上げて歩く中で、三日月の小さな灯りは、私たちの道を照らしている人工の明かりに比べて、温かみがあるように私は思えるのです。小さいながらも、良く見える灯り。人工と自然。ただそれだけかもしれませんが、見ることによって感じる事は大きく異なってきます。

 私たちは、手元や身の回りを普段から、見ています。これは、仕事や勉強で見る範囲が、そういった空間だからかもしれません。もちろん、視野の中には、空やそれ以外の風景も見えているはずですが、意識をしないと見えてきません。私は、普段の生活の中で、空を見る時間を意図的に作るようにしていますが、仕事に追われたり、雑務があったりと、気が付くと見ているはずのものが、実は見ていないことに気づきます。出来るだけ、空や風景、風の流れや草の色などの自然の光景、そういったものを見る、感じられる時間を作れれば幸せのような気もします。

北大路大橋