2011/11/30

初冬のセミの抜け殻

 11月末に姫路市内にある書写山圓教寺の庭園跡の調査に行きました。庭の図面とスケッチをし、休んでいるときにふっと横を見るとアブラゼミの抜け殻が太陽の光を通してキラキラと光っていました。この時期に、夏の残照のような抜け殻を見かけるとは思わなかったので、つい、ぼーっと見ていて、あわてて写真を撮りました。

 野外のフィールド調査をしていると、ちょっとした光景が視野の中に入ってきます。それが、時期によれば、普段からたくさん見られるものでも、ある時期には見られないものが、残影のように残っている場合、思った以上に新鮮に映ることもあるのです。特に、フィールドの、それも人のいない場所での光景ならなおさらかもしれません。

 自然の明るい光とセミの抜け殻を通した光の残照が、言葉に表現し難いのですが、自然の中でのいろいろなベクトルが合わさっての美しさを持っていると思いました。

アブラゼミ