2011/09/26

首途神社の空間と鳩のデザイン

 智恵光院通り今出川上るところに首途神社という源義経ゆかりの神社があります。今、私が住んでいる京都の家からそう遠くないので時折、参拝に行きます。神社の少し長い目の参道横は、公園とお店の駐車場があり、境内の外の智恵光院通りの道路から神社を見ると、参道の隣の空間の雰囲気がとても気になります。ただ、参道に入ると境内に入るまで気になっていた横の空間はあまり気になりません。

 視野の中に入っているはずの横の空間が気にならないのはどうしてだろうかと考えました。恐らくですが、目の前にある参道が直線的で視野をその方向へ集中させてくれていることではないだろうかと思うのです。もう一つは、俗世的な周囲と参道の異質な空間そのものが、目で見ている範囲であっても、空間を意識的に分けるのではないかと、これは日本の屏風による空間の区分けに似ているのではないかと思いました。

 境内の奥の中に入って行くと水盤舎(手水舎)があり、その水は鳩から水がでています。この鳩はとても精巧に作られており、羽の細部までも驚くほど美しいのです。職人さんの腕の良さを感じさせてくれる意匠です。とても美しい造形デザインで、この鳩を見るだけでもデザインを学ぶ学生にとっては価値があるものだと思いました。

 デザインの美しさをさりげなく見せてくれる鳩の造形です。

首途神社の鳩