視野の中に入っているはずの横の空間が気にならないのはどうしてだろうかと考えました。恐らくですが、目の前にある参道が直線的で視野をその方向へ集中させてくれていることではないだろうかと思うのです。もう一つは、俗世的な周囲と参道の異質な空間そのものが、目で見ている範囲であっても、空間を意識的に分けるのではないかと、これは日本の屏風による空間の区分けに似ているのではないかと思いました。
境内の奥の中に入って行くと水盤舎(手水舎)があり、その水は鳩から水がでています。この鳩はとても精巧に作られており、羽の細部までも驚くほど美しいのです。職人さんの腕の良さを感じさせてくれる意匠です。とても美しい造形デザインで、この鳩を見るだけでもデザインを学ぶ学生にとっては価値があるものだと思いました。
デザインの美しさをさりげなく見せてくれる鳩の造形です。
首途神社の鳩 |