2021/12/05

構内の紅葉

 タイワンフウ(Liquidambar formosana Hance)が今年も色づきました。下鴨キャンパスには成長したフウが何本か見られますが,写真の4号館と5号館の間に植栽されているフウの色づきは毎年の楽しみです。4号館にいた時は,それを眺めるのも楽しみだったのですが,いよいよ4号館の解体作業が始まりましたので,このアングルや構成で見る風景は今年でおしまいです。ちょうど公舎によってフウの紅葉とクスノキの常緑の緑が挟まって良い感じでしたが,解体後の空間の違いも楽しめればと思うところです。

 建物を無くし,新たな空間を作る際に,できるだけ既存の樹木を残して計画した方がその土地の空間の歴史を継承してくれます。地表の記憶の継承,地霊(genius loci)の事も考えると,空間をいじる場合の残すべきものは大切にしたいところです。最近のあまりよくないと思える事例では,由来の表札もつけていた地域のランドマーク的であったクロマツを行政が知らない間に切ってしまい,残念な空間になった元小学校も見られます。この小学校の卒業生の方の事をあまり考えていなかったのかもしれません。これから大きく変わるこの下鴨キャンパスは大学の空間として,良い空間になるだろうと期待しているところです。

今年も色づきました