2013/12/05

車窓景観の調査でのアンケート


 研究室のゼミ院生が,車窓景観に関する調査研究をしています。主には,地理情報システム(GIS)を用いてデジタルの視点から保全すべき場所を示す研究です。しかし,景観は人間が見る視野の中に入るものですので,コンピュータによるデジタル操作だけではなく,アナログですが,人の感覚の情報も必ず必要と考えています。そこで,鉄道沿線に住まわれている方々に対して,アンケート(「鉄道車窓から眺める六甲山系の意識に関するアンケート」)のお願いをポスト投函により,先週に行ってきました(もし,ポストに入っていましたら,お手数ですがどうか宜しくお願いします)。

 私も手伝って,神戸駅と元町駅の周辺2駅分の投函を行ってきましたが,さすがに住んでいた街とは言え,歩き回ってみると簡単そうで意外と大変でした。神戸で生まれ育ったので「知っている街」と思っていましたが,今回アンケートのポスト投函で,街の色々な顔が見られたと思いました。ここにはこんなお地蔵さんがいる,ここには魅力的な小さな路地がある,ここは都市型鳥類が非常に多い・・・など,知らなかった街の景観が見えてきましたので,それはそれでいい発見でした。

 とはいえ,本題のゼミ院生の研究のアンケートは投函して今日で約1週間。既に約1割強戻ってきています。戻ってきたアンケートの内容は,現在集計中で,これからいろいろと見いだせられることが有りそうです。神戸の皆さんの景観に対する意識の高さがうかがえる内容も多く,記述の部分も力強く書いて下さっています。神戸っ子としてはなんだかうれしい限りです。

 神戸はユネスコのデザイン都市ですが,景観がどんどん壊れているのではないか,街で市民が共有する空の部分は高層建築で減少し,六甲の山並みもスカイラインが徐々に美しくなくなってしまっている・・・。そういった点も考えていくと,景観のあり方はとても難しく,どうすればいいのか理解しづらくなってきています。この院生の研究が何かしらの一助になるだろうと期待している所です。


トアロード西側ぐらいまで投函しました
これで300通分です