2013/12/20

バングラデシュの鳥・イエガラス

 この街にはイエガラス(Corvus splendens)が多くみられます。おそらくこのバングラデシュで個体数の一番多い鳥種ではないでしょうか。スカベンジャー(掃除屋さん,scavenger)としての役割を担っていることで,街にとって重要な鳥類です。ただ,こちらの学生に聞くと,カラスそのものが嫌いだといった声も聞きました。

 飛んでいる姿などは中々,かっこいい鳥で,一羽で胸を張っている姿などは,灰色のベスト,ジレを着たような感じでおしゃれな雰囲気を持っているカラスだなと思います。なかなか格好がいいカラスですので,結構長らく観察してしまいます。人が見ていると,このカラスたちは,「危険かも」と思うようで,さーっと逃げてしまうのが観察している者にとって残念です。警戒されないように…といつも考えてしまいます。

 このイエガラスは日本には野生生息していませんが,ここバングラデシュでは最も一般的なカラスです。カラスですので夕刻にはしっかりと塒へ帰ります。その折の飛翔の高低差が中々興味深いことやその折の行動の様が面白い鳥です。これからどう景観生態学に研究として考えられるのか,研究素材として楽しみな鳥類だと思いました。

 とはいえ,このイエガラスがアザーンの声に乗って飛翔する光景は南アジアの雄大な景色にとても似合っているような気がしています。

夕刻とイエガラス