2011/12/25

蘇州の園林・留園

 留園は、明代に築庭された園林で、蘇州の中でも拙政園についで大きな庭です。建築と山紫水明の豊かな空間を作り上げています。訪れて思ったのは、とても静かに過ごせられる空間だということです。この庭は、蘇州の中心部より若干離れた位置に存在していることが、静かな庭園の理由であるのか知れません。しかし、なによりも空間が広くとらえられており、庭を散策する園路もうまく作庭されていることが静かな空間を作り出している最も大きな理由だと思いました。歩きながら風景が変わっていく様は、一つの空間の中で様々な風景や景色を作り出してくれています。

 中国の園林は、訪れて散策し、庭を見る人へ変化を提供してくれています。それは、石や水、建築など、さまざまに見せる事象の空間を、それを見る人へ提供させてくれている様な作庭をしているものと感じさせてくれています。特に、この庭は、太湖石を多く使用し、その石の形状の変化から、空間を広く、または山の中の山水の中に導き出していくような感じを受けさせてくれます。この留庭は、中国でも美しく完成度の高い庭といえるのではないでしょうか。

中庭さえも石の配置が美しいです