2012/12/16

門からの景観

 門は、街の景観を彩る要素の一つです。境界を区切るもの。境界である塀から入り込むことのできる出入口。開門されていても、そこには一つの境界線が引かれています。門の内側から見ると、内界と下界との境で、その門の外から、別の空間が広がります。内なる空間から外の空間との「つなぐ線」となっています。人が門へ向かう場合、移動はある程度直線的ではありますが、そのつなぐ線は、それを簡易にふさぐ空間境界を作り出しています。

 もう一つは、門の内側から外側を見出す際、その新たな空間の予感と新たな時間を作り出す可能性を持ちます。窓も同じ感覚を持ちますが、基本的に出入りするものではないと考えると、門と窓との違いは大きく分かれてきます。窓での視覚的なもの、門では視覚的なものから、さらに加えて、体感的なものが付加されてくるのです。門の在り方は、ランドスケープとして重要な要素です。空間を見る、空間の線を見る際、とても重要な要素になってきます。

 写真は、京都西陣にある雨宝院の門です。
 
雨宝院の門を内側から見ています