2012/01/06

烏丸通沿いの樹木と建築の景色


 京都の街中では新旧取り混ぜた空間が見られます。この写真の一コマは、近代建築と街路樹が被写体となっているもので、新旧の空間を撮影で表現してみました。この写真を撮影したとき、京都の冬光があまりにも美しかったので写真に収めたのです。冬の夕方の太陽の光は一瞬です。その光景は、長らく続かないのですが、その一瞬に事象の美しさが見えてきます。この世界はとても美しいものがたくさんあります。それが、もともとあった事象だけではなく、自然の環境が生み出す美しい光景もあるのです。その光景は、今後見ることができない、その時だけの美しい光景です。

 街の中を歩いていると、そういった空間に出くわすことが多く、その一瞬の美しさは、これからもしかすると見られないものかもしれません。そんな美しい空間の瞬きをゆっくり見ることは、気持ちの余裕と重なってくるものかもしれません。忙しいときに見る景色と心のゆるやかに流れるときの景色は、人の目の網膜に映る被写体が同じであっても、その映っている感覚が大きく異なってきます。その違いは、人であるからこその「いとおもしろき」ことなのかもしれませんね。

花巻のイギリス海岸を思い出します