2015/06/06

厦門の緑 15 水生植物とデザイン

 この空間は,厦門市の中でも面白いランドスケープデザインの一つだと思います。
 五縁湾湿地公園(五湾湿地公园)にあるデザインで,入り組みつつ,幾何学的に配した木道とその合間にあるラクウショウの植栽,水辺にはヨシやガマ,スイレンやハスなどの水生植物をふんだんに活用し,デザインされています。これは中々,面白いデザインです。

 中心部にある中国風の休息施設・東屋は四方から見えるように建築されています。そこに行きつくには,この迷路のような木道を通らなくてはなりませんが,直線的に行けずに,羽陽曲折してやっとたどり着けます。たどり着けたあと,また元に戻るのも,色々と試しながら歩かなくてはならず,その趣向性が何ともユニークです。木道を乗り越えたくとも,そこは水がたっぷりあり,ショートカットは不可能です。

 のんびりと歩きつつ,周りの植生や魚を眺めつつ歩いて,たのしむことが出来る空間です。このデザインは大変面白いと思いました。近距離,近場は変化する景観。遠距離,中遠では絵になる変化の少ない景観のように何とも心憎い演出をしてくれています。メンテナンスは大変でしょうが,それを抜きにすると何とも愉快なデザインで,私は好きになりました。

水生植物の迷路です