2013/03/21

鶉野飛行場の地下防空壕

 鶉野飛行場の存在を知ったのはもうだいぶ前になりますが,飛行場の滑走路を見て驚き,施設が残っていることに驚いて,その思い入れが大きくなりました。その場所は,兵庫県加西市にあります。戦時中の姫路海軍航空隊が「紫電」や「紫電改」による航空訓練も行われ,神風特攻隊として飛行訓練,練習をし,戦地に赴いた場所です。この場所には,川西航空機姫路製作所鶉野工場跡もあり,戦争遺跡としてとても貴重な空間なのです。ただ,現在は,大学敷地内や民間敷地内に有るためむやみに見に行く事はできません。中でも防衛省が管理している滑走路は当時のまま残っており,とても貴重な遺産だと言えます。

 また,近年まで水没していた地下防空壕(現在は民間の敷地にあります)も,水がすっかりと抜かれ,整備されて資料展示が行われています。こういった加西市に残る戦争遺跡は,市や県,国としても,先の大戦の記憶継承ということから,後世に残すべきとても貴重な財産といえるでしょう。このような貴重な施設の維持管理を有志の方が行っていることに頭が下がります。

 今はとても平和で想像がしにくい加西の豊かな環境や空間ですが,ほんの70年ほど前には「戦争」といった私たちが想像できないことがあり,その証人が目の前に見られる遺産,もしくは国民の財産といえるものではないかと思うのです。残っていることに文化財としても非常に貴重だと私は考えています。私の世代もそうなのですが,今の子供たちにも見てもらうことで,歴史を学ぶための貴重なものとして,大切にしたいものです。ランドスケープとして何ができるのか,自問自答を繰り返しています。
 
とてもとても重いテーマです