2013/07/01

生産緑地での鳥類調査

 都市やその周辺においての生産緑地の空間は,「農」の単なる生産のための空間としての価値だけではありません。緑の容量を維持する役割,無秩序に進行する都市化・住宅化の波を止める防波堤の役割も挙げられます。が,それだけではありません。役割の大きな要素の一つとして,都市生態系,生物多様性のための重要な役割も担っています。

 今回,そのケーススタディとして,生き物好きのゼミ生の一人が高槻市の生産緑地にて生物調査を始めています。生き物の中でも鳥類を調べ,その都市生態系,生物多様性の価値を出すことが出来ればと考えています。調査に同行しましたが,この調査地である高槻市は,良好な都市緑地の空間が残っており,大都市にとって非常に貴重な緑地の空間といえます。ある意味,奇跡的に残っている緑地空間,生産緑地の空間とも言えるのではないでしょうか。この貴重な空間は,生物多様性としての価値も十分に備えていると言えますし,残す価値が高い空間とも思えます。

 大都市にとって,都市の進行(浸出の方が適語かもしれませんが)による経済的な向上は,都市の発展性を考えると重要な事ではあるのですが,目に見えづらいものである生態系,そこに存在する生態系の重要性は,もっと価値があるものと考えられます。時間を経てつくられてきた生態系の形は,非常に高い価値を持つものです。今後,どれだけの重要性があるのか,この調査地で見えてくると研究のし甲斐があると思います。
 
 
大都市の中の水田です