紫電改の操縦席です |
こういった実物大の機体を置くことにも,また戦争遺跡の存在自体も,その在り方を問う,また存在に関する賛否があります。が,実物大の物を置くのは,その当時を思う気持ち,そして考えるきっかけを与えることになるのではと思われます。無くても良いのではといった答えもあるでしょう。それも正解かもしれませんが,私は今回,現物を見てやっぱりあった方がいいのではないかと実感しました。考えるきっかけの装置になりうるのではないかと思ったのです。
また,周辺にある戦争遺跡も実物が無くなってしまうと,「無かったこと」になってしまいます。これからこういった遺跡をどう残していくのか,そしてどう活用し,次に繋ぎ,記憶を残していくのか。戦争を祖父母から直接聞いて育ってきた私たちの世代の仕事のような気もしています。私が子供の頃の昭和50年初めでは,今では考えられないですが,国鉄大阪駅と阪急梅田駅前あたりや国鉄三ノ宮駅や神戸駅で傷痍軍人さんが居ました。そういった光景を見た最後の世代かもしれません。いま教えている学生さんは平成生まれです。戦争の話はあまり聞かない世代になっているようで,世間でいう風化は大きいなと思う所です。私も被災した阪神淡路大震災の経験も同じようだとこの頃考えるようになりました。今,ランドスケープとしてどうできるのかを考えている所です。
整備途中の滑走路です |