2011/05/28

圓教寺での調査

 先週末、姫路市にある圓教寺へ大手前大学史学研究所の調査に行きました。この調査は、植生と庭園跡の調査です。圓教寺は、とても重厚な建築群が多くあります。食堂や大講堂をはじめ、重厚な建築群からみる境内の空間は、凛とした美しい場を創り出しているようです。そしてその周りには、多くの植物がみられます。  圓教寺周辺における自然環境保全基礎調査の植生図(姫路北部・2次メッシュ番号523425)をみると、植生図作成のための調査当時ではアベマキ-コナラ群集やモチツツジ-アカマツ群集となっていましたが、今は遷移が進み、若干違ってきているようです。この森の中に入ると西日本らしい里山の植物がみられます。が、ここはかつて植林も行われていたため、スギやヒノキなども多くみられます。今回の植生調査のなかで、何かしら目立ったのは、参道の斜面や山の中などでみられた、腐生植物のギンリョウソウ(Monotropastrum humile)です。向こう側が透けて見えるような白色のこのギンリョウソウは、土の色や落ち葉の茶色の上で生えているのがみられ、意外にも空間を主張しているような気がします。
 この圓教寺とその周辺の調査については、今後進めていく予定です。
圓教寺食堂からみる境内
ギンリョウソウ