2023/07/28

看板

 大津市の京阪電車の踏切を渡ろうとしたときに目に飛び込んできた「旅館」の文字。通る電車に分かるように書いてあります。旅館名は無くただ「旅館」と書いています。何だか主張の潔さを感じます。この大きな壁いっぱいの文字を見て,昭和の中頃の風景を感じました。周辺の空間もなんだか懐かしいような街並みで,踏切の光景も懐かしい雰囲気を醸し出しています。夕焼けが似合いそうです。こういった風景は,私が子供時代だった昭和50年代ごろ,普通にあった空間でしたが,平成に入り,バブルを経験し,景気も下がり,そして令和に至る過程の中で,どんどんなくなってきた感じを受けます。

 風景は,一長一短で完成するものではありません。街ですと,そこに住まう人たちや訪れる人たちによって形作られていきます。そういった時間をかけて出来た街が私は好きです。皆さんはどうでしょうか。新しく出来上がった街も,もちろん楽しそうですが,時間をかけて作られて,知らない間に気が付くと出来上がっていた街は,そこにあって普通に感じられますので,それはそれで面白いとは思いませんか。

 文字で表現するのは,私にとってとても難しいですが,写真はその光景を視覚で話してくれそうです。これからも周りを見渡して良い風景を見つけて行ければと思います。

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