2023/02/10

福岡のクロツラヘラサギ

 博多湾のクロツラヘラサギ(Platalea minor Temminck & Schlegel, 1849)とヘラサギ(Platalea leucorodia Linnaeus, 1758)です。多々良川河口や和白でも確認できました。多々良川などは,私自身が以前住んでいた筥松の横にあったのに,もっとよく鳥類の観察をしておけばよかったと今さらながら後悔しました。今回,九州産業大学での鳥類観察の関係で行ったのですが,クロツラヘラサギが飛来できる福岡の環境の存在を考えるきっかけになりました。また,アイランドシティにできる野鳥の公園のことも,何かしら考えるきっかけをこの鳥たちを見て思いました。

 160万を超える人口の都市で,こういった鳥類が生息できるというのは,福岡の大きな財産でもあると感じます。生物多様性を考える中で,色々な意見はありますが,大型鳥類が滞在できる環境は貴重です。その環境の在り方をどう維持していくのかを考える中で,この福岡市だけではなく,周辺の町も含めての広域的な視点での環境を考えなければなりません。

 クロツラヘラサギはIUCN 2023をみると増加傾向になっていると書かれていますが,成熟個体が2,250羽(201710月最終評価)しかおらず,楽観はできません。このサギが今後も生息できる環境を考えるにあたって,福岡の多々良川や博多湾の環境は大きな意味を持つといえます。

サギ2種います