2022/05/05

鯉幟

 四月の後半に入りだすと,端午節の鯉幟がそこかしこで見られるようになります。私が九州に住んで居た時には,農業の地域において,鯉だけではなく,大変立派な幟,武者織も見られ,季節感を強く感じたものです。ここ京都では,武者織よりも鯉幟が主流のようです。とはいえ,京都市内では,沢山鯉幟が揚げられている訳ではありません。学校や幼稚園を中心とした場において揚げられていることが多いようです。

 家の近所の保育所で揚げられている鯉幟を見ると,青空に映えて,やはりいいものだなぁと感じました。写真ではなぜか真鯉のみでしたが,数日後には緋鯉や青鯉も揚げられました。

 鯉幟は,歌川広重の名所江戸百景の夏の部,64番の「水道橋駿河台」にも大きく描かれ,記憶に残る構図です。少なくとも,この時代には既に鯉幟は街中で掲げられてきたのでしょう。鯉幟は,中国の後漢書(后汉书)の巻六十七による登龍門(登龙门)からとも言われていますが,そこまで古い歴史なのだなと感じます。今では生活の中に溶け込む四季の光景です。

泳いでいます