2022/03/01

高砂市の竜山と眺望

 西明石から姫路の間で山陽新幹線の北側の窓から眺めると石切り場が見えてきます。その石切り場は,竜山石採石遺跡のある場所で,国の史跡にもなっています。その史跡の少し東側には竜山があります。標高が92mの低山ですが,播磨灘や姫路から明石,神戸,淡路島などの眺めが一望できます。竜山石採石場には「觀濤處(かんとうしょう)」と言われる大変立派な岩壁面に書かれた文字があり,ここから播磨灘が望めたと言われています。この間までは,樹木が繁茂していたので,海を眺めることが難しかったのです。そこで,伸びすぎていた樹木や繁茂していた樹木を令和42月に整理して,今では見通すことが出来ています。

 その觀濤處をあがっていくと古代の石切り場ではないかと言われ場所に出てきますが,竜山に向かう山道がとても楽しい道になっているのです。道の両横にはネザサやウラジロガシなどの樹木が塀の様に並び,小さな山なのに歩くと楽しい景観を作りだしてくれています。その楽しい道を超えていくと,南に歩けば播磨灘の広い眺望,北に向かって歩けば,竜山石採石遺跡と石の宝殿のある生石神社。歩いていくと,前に待っているこれらの場は,装置として大変楽しい仕掛になっています。空間を上手く使った装置と言えるのではないでしょうか。

 この竜山や加茂は,地元の人たちが毎日登山をしている人もいるそうで,神戸での六甲山の毎日登山みたいだとつい思いました。国史跡でもある竜山石採石遺跡も高砂市の大切なものですが,この山道と海が見られる眺望も大切なものだと言え,ずっと残ってほしいものです。

わくわくする山道

播磨灘を見渡せます