2019/09/12

京都の街路樹剪定

 京都市内では総じて街路樹景観がきれいです。これは,街路樹への剪定がそういった景観を形作ってくれています。はんなり剪定,いわゆる二段階剪定(透かし剪定)です。大学での講義や演習でも学生に伝えているのですが,京都の造園の技術がそうさせているのだと感じます。一部がきれいな街路空間の市町村も全国にはたくさんあります。例えば,東京丸の内や神戸居留地,福岡天神の街路樹景観など美しい街路樹の景観が魅力的です。ただそれは一街路空間の美しさが際立ったものです。
 京都市内でも御池通や堀川通など街路の美しさを華としての街路樹が多く見られますが,京都の魅力さは全体的な街路樹の美しさです。写真は洛北での,はんなり剪定をしたトウカエデの街路樹です。こういった市中心部の街路樹の二段階剪定の取り組みは,街全体の景観の美しさへも寄与しています。もちろん負の面としての落ち葉量の事も有りますが,京の角履きの文化なども相まって,景観の空間の美しさへの維持を創りあげています。街並みの景観の美しさは或る意味,その土地の「歴史」と「文化」でもあると思います。風土性もありますね。そういった空間の在り方は,私たちがこれから対応する研究の中へ入れ込められるようにしたいと思う所です。


写真左側,はんなり剪定