2016/02/29

遊子水荷浦段々畑

 この段々畑を目的に行きました。はじめは外泊の石垣段々集落を見に行った後に遊子へ。息をのむ光景とはこういったものだと思いました。この平成の時代にまだ日本で,ここまで素晴らしい石垣の空間が広がっていることに感嘆します。昭和の高度経済成長以前では,当時の写真などを見ると愛媛南予あたりには多く見られた光景ですが,今は断片でしかありません。そういった中でこの水荷浦の光景は連続した石垣が残っています。これは単に光景が素晴らしいだけではなく,先人たちから,延々と引き継いだ今の管理されている人たちのご苦労が,目に映ってくるようです。これは,その上に成り立った結晶した光景に他なりません。とにかく素晴らしいということと,ため息しか出ない光景なのです。

 愛媛大生時に,こういった光景が有るのは知っていたのですが,大学の有る松山から南予へは遠く,行く機会が無く,今回この光景を見るにあたって,なぜ学生時代に行かなかったのかと悔やまれてなりませんでした。その当時ならもう少し石垣の空間がまだ各地に多く見られたのではないかと思ったからです。今回,この水荷浦段々畑の周りの空間にも補修と思われる新たな石垣空間を見かけましたが,草に埋もれてしまう空間も多く,人の手の少ない中で,徐々になくなっていくものもあるのだと思ってしまいました。とはいえ,この水荷浦ではまだまだ現役の石垣段々畑が広がり,人の手による美しい造形に多くの人が見てもらえたらと思いました。ランドスケープとしても今見ておくべき光景の一つです。

石垣が山頂まで続きます