2016/02/18

川の線

 京都の高野川の川底です。線が見えます。特に何となくなのですが,以前から気になっていました。北山の方での大雨などの際には,線が乱れます。穏やかになるとほぼ同じ場所に線が見られます。川砂と藻の関係だと思うのですが,規則正しい直線を作っています。山から石が流れて来たら,形状は変わる自然の造形ではあるのですが,人が思ったような感じにはならないのが面白いかもしれません。

 水は造園,ランドスケープデザインにおいて,大変面白い素材です。水の流れは同じ形状が無いものです。だからこそ面白いのでしょうね。中でも水の流れを見ると,その最たるものだなと感じます。水の動きによって,光によって,風によって,気温によってどんどん変わっていきます。この川底の線の造形もそうですが,素材として活用したくなる気持ちが良く分かります。そういえば,身近な京都での寺院の庭や,私の好きなイサムノグチの作品にも水が多様に使われていますし,そういった作品を眺めているといつも同じではない,完璧さではないものの楽しさが見えてくるようです。

川の水が落ち着くと線が出来ます