2015/09/03

裸の島の宿禰島と佐木島の植生

 今年は,厦門より戻って早々であったことと田舎家の片づけなどでゼミ生を連れて,佐木島には行けなかったのですが,島はいつものように穏やかでした。フェリーから眺める「裸の島」の宿禰島ものどかに波間に眺められます。このぽつっとした島の景観は,瀬戸内で散見される光景です。

 こういった景観は,穏やかな景色としてとても美しいといつも思うのですが,よく見ていくと島の植生などが徐々に変わってきているのではないかと思うことがあります。一時期の松枯れに代表される植生変化が思い浮かばれるところです。今問題なのは,生き物のアンバランスな状態が,もしかすると植生まで変化しているのではないかと思うところです。宿禰島はわたっていないので佐木島から見るだけですが,一時期より緑が多くなっている気もします。島によって緑が多くなっている所,少なくなっている所が見て取れるようです。宿禰島の向かいにある佐木島に目を向けると,人の数よりもどうもイノシシの個体数の方が多いようです。農作物の獣害もひどく,下層植生もだいぶ荒れてきていることから,この瀬戸内の穏やかな顔とは別に,島じまでは色々と困ったことも浮き上がって見えるような気がします。


フェリーからの眺めで左の島が宿禰島。