2023/05/12

南禅寺での水路閣

 南禅寺境内には,煉瓦と花崗岩で作られているアーチ形の橋脚の疎水の道があります。以前,ゼミ生の鳥類調査の中で疎水を中心に調べたことがありました。そのゼミ生は鳥類調査でのフィールドとして疎水を対象にしましたので,疎水の箇所を可能な限り調査した結果から,彼は博士論文へとりまとめました。その折,何度か調査指導に行きましたが,それもだいぶと前です。その後,何度もこの場所には庭園見学も含め,ここには来るのですが,何度見てもこの水路閣の存在はどっしりとして,時間の経過を余り主張していないと感じます。そういえば,子供の頃(昭和50年代)に来たときとも同じ状況だった気がしますので,ほぼ変化のない景観なのでしょう。変わっていくのは植物の状況ぐらいでしょうか。

 ここは,京都らしいのだろうかと言われると,そう思えたりするのは不思議です。でも,外国ですよと言われたらそう思いそうにもなったりします。この水路閣は,日本において,それも古都京都において不思議な存在感を作り上げている気がします。煉瓦といった素材が,この境内においては主張を強く出しているような気もしませんし,周辺の青もみじの美しさと相まって,この景観を作り出してくれているようです。ずっと残ってほしい京都の景観です。

青紅葉も見られます