2015/10/26

圓通寺庭園と景観

 大学院の演習で今年も圓通寺さんにお邪魔しました(いつも有難うございます)。平庭式枯山水庭園の向こう側に広がる叡山の借景が美しい庭園です。毎年何度か来ますが,定期的にはこの時期の大学院の演習で必ず来ています。見ていく中で同じとした景観を見られないのが,借景庭園の面白さです。叡山の風景が刻々と変化しています。その風景の様を見るのは楽しいのですが,周辺環境の変化はどうもいただけないものも多く,悩ましいことが山積しています。
 圓通寺周辺の土地区画整備事業から居大きく変貌した景観の様相は,なかなか難しい直面になってきていると思いました。「たてもの」が増えてしまい,そのデザイン,素材の様相に残念なが,調和とはいいがたいものが見受けられます。新規に作られる構造物とその周辺景観との調和は難しい時代になっていると,この地に来るたびにつくづく思うところです。それぞれの経済的な問題や美的な感覚の問題もあり,すぐに解決できる話ではないのですが,京都の市中でもこういった様相に直面しています。ほんとうに難しい問題です。
 この演習を通じて,学生達にはそういった目を持ってもらえれば,演習の甲斐もあるのではないかと思っています。
 
今日は寒いので,庭は凛としています